縦型動画広告のコンバージョンの質が落ちる原因3つと確認・対処法

縦型動画広告のコンバージョン(CV)が商談や売上につながらない場合、最初に確かめる原因候補は3つです。不正と判定されるCV(以下、無効CV)、意図の薄いCV、計測の問題です。CV後の率(有効リード率や商談化率)と、CV1件ごとの申込み・商談記録から、コンバージョンの質を切り分けます。
- 最初に確かめる原因候補は、無効CV・意図の薄いCV・計測の問題の3つです。
- CVの質を確かめる指標は、有効リード率や商談化率などの「CV後の率」です。
- 原因に合う対処を選び、広告流入を測る選択肢として無料診断を検討します。
縦型動画広告のコンバージョンが商談や売上につながらない原因3つ
最初に確かめる原因候補は、無効CV・意図の薄いCV・計測の問題です。複数が重なる場合もあるため、記録を照合して切り分けます。
原因を調べる前に、獲得からの経過期間、営業の対応状況、対象顧客との適合を確認してください。商談に至らない理由を、広告流入だけに限定しないことが大切です。CVの件数そのものを増やしたい場合は、広告の表示・クリックから申込みまでのどこで件数が減っているかも確認してください。
次の表では、上の3行が原因候補、下の3行が縦型動画の視聴状況や申込み方から考えた確認仮説です。
| 原因候補・確認仮説 | 見られる状態・確かめたい状況 | 確かめる記録 | 判断の注意点 |
|---|---|---|---|
| 無効CV | 架空入力や繰り返し送信が見られます。 | 入力値・IP・発生時刻 | 同一IPだけで断定しません。 |
| 意図の薄いCV | 本人の希望と申込み内容にずれがあります。 | 広告の訴求・本人の認識 | 検討段階の確認が必要です。 |
| 計測の問題 | 広告のCV数と実際の申込数が一致しません。 | CV記録・申込みID | 不一致だけで無効とは判断できません。 |
| 視聴時の認識 | 無音・短い尺で条件を見落とした可能性を確かめます。 | 動画の説明・申込み条件 | 本人の認識を確認してください。 |
| 誤タップ | 意図せず広告を押した可能性を確かめます。 | クリック・申込みの記録 | 申込み完了までは別の確認が必要です。 |
| フォーム入力の負担 | 入力項目が少ないため、確認の弱い申込みが混じっていないかを確かめます。 | 入力項目・連絡結果 | 媒体内フォームも実際の条件で比べます。 |
無効CVは、入力内容と発生状況を合わせて見ます
当社の調査では、縦型動画広告の不正CV(無効CV)として、Botと推定されるCVや、同一IPから短時間に繰り返すCVの傾向が見られました。架空入力の例は、氏名「あああ」、メール「111@example.com」、電話「000-0000-0000」などです。
こうした兆候は、入力内容や連絡結果と合わせて確認してください。同じIPや時間帯の偏りだけでは、無効と断定できません。Google広告も、CV率が低くても無効なインタラクションとは限らないと説明しています。
- 当社が観測した縦型動画広告経由のCVのうち、当社の判定で17.01%が無効CVとされました。
- 調査期間は2026年1月1日〜4月30日、対象は532アカウントです。
- この数値は当社の観測範囲の割合であり、縦型動画広告全体の割合ではありません。
- 無効CVを成果として学習すると、広告の配信判断が偏るおそれがあります。
- 出典:縦型動画広告のCVに関する当社の調査
Google広告のヘルプでは、誤クリックや重複クリックも無効なクリックに含めています。無効として削除されたクリックのCVが、まれに残る場合もあります。ただし、残ったCVが無効かどうかは、この記載だけでは分かりません。
ゲーム広告における不正の手口や被害事例は、次の記事にまとめています。
【関連記事】スマホゲーム広告の不正の手口と事例
意図の薄いCVは、申込み時の認識を確かめます
本人による申込みでも、情報収集が目的なら、商談を希望しているとは限りません。広告で伝えた内容と、本人が期待した内容を確認してください。料金や対象条件の認識、検討時期が、訴求とのずれを見つける手がかりです。
計測の問題は、広告のCV数と実際の申込数を照合します
同じ申込みを複数回記録していないか確認します。Google広告では、同じトランザクションIDの同じCVアクションが再発すると、2回目を重複と認識します。トランザクションIDは、取引を識別するための情報です。
出典:トランザクションIDによる重複コンバージョンの防止(Google広告ヘルプ)
同じ申込みの二重計測なのか、実際に別々に送信された申込みなのかを確かめてください。

原因を決めつけず、入力内容・本人の認識・計測記録を照合して切り分けます。
コンバージョンの質はCV後の率で確かめる|指標3つ
CVの質は、獲得後の成果につながる度合いです。有効リード率や商談化率で確かめ、来店型の事業では来店率も使います。
分母は広告管理画面の件数ではなく、重複を整理した対象CV数にそろえます。対象の獲得期間を決め、同じ申込みの二重記録を除いてください。意欲が低い申込みも、分母から外さずに評価します。
以下は、この記事で使う指標の定義です。同じ期間に獲得したCVを、同じ経過日数まで追って集計します。
| 指標 | この記事での定義 | 確認する記録 | 比較の注意点 |
|---|---|---|---|
| 有効リード率 | 連絡先・申込内容・対象条件を確認できたCV数÷対象CV数×100です。 | 入力値・連絡記録 | 有効とする条件を統一してください。 |
| 商談化率 | 商談に進んだCV数÷対象CV数×100です。 | 商談記録 | 商談と数える条件をそろえます。 |
| 来店率 | 来店を確認できた予約CV数÷対象の予約CV数×100です。 | 予約・来店記録 | 予約日を迎えた対象同士で比べてください。 |
成果までの時間と営業の対応状況をそろえます
直近の申込みと、商談まで十分な日数を経た申込みは分けて比べます。営業の初回連絡までの時間や、対応の有無も確認してください。未対応の申込みが多ければ、流入の質を判断する材料は不足しています。
申込みの種類が違うものは分けて比べます
資料請求と商談申込みでは、本人が希望した行動が異なります。資料請求は資料請求同士、予約は予約同士で比べてください。
商談化率が良くても売上が増えない場合は、対象顧客との適合や商談後の記録を確認します。計測設定そのものの修正が必要な場合は、次の記事を参照してください。
【関連記事】コンバージョンが正しく計測されない原因と解決策
CVの中身を確認する手順5つ
広告のCV記録と、実際の申込み・商談記録を照合します。入力内容や発生状況を重ねると、原因候補を絞れます。
手順1. CV1件ごとに申込み・商談記録と照合します
申込みID・発生時刻を手がかりに、広告のCV記録と顧客管理システムや営業記録を照合します。未連絡・連絡済み・商談化などの状態を、CV1件ごとに整理してください。広告上の件数と、実際に届いた申込みの対応関係が確認の出発点です。
手順2. 取得できるIPと発生時刻の偏りを確かめます
IPを取得できる場合は、短時間の集中や繰り返しを確認します。ただし、同じ回線を共有している人からの申込みも考慮が必要です。
媒体内フォームなどでIPや個別のCV記録を取得できなければ、入力値と連絡結果から始めてください。
手順3. フォームの入力値と連絡の結果を確かめます
電話やメールが正しいか、本人が申込みを認識しているかを確かめます。連絡がつかないだけでは、無効とは判断できません。申込みの有効性と、本人の検討状況を分けて記録してください。
手順4. 媒体・配信面・CV地点ごとに分けます
TikTok・Instagramリール・YouTubeショートを混ぜず、取得できる単位で集計します。媒体内フォームと自社サイトのフォームも、分けて見る対象です。
Google広告では、デマンド ジェネレーションの配信先にYouTubeショートも入ります。
出典:デマンド ジェネレーション キャンペーンについて(Google広告ヘルプ)
利用中のキャンペーン種類と配信面を整理してください。
手順5. CV後の率を同じ条件で比べます
同じ申込みの種類・経過期間・営業対応で、媒体別の率を比べます。連絡が済んでいないCVが多い場合は、結論を急がないでください。率だけでなく、有効リードや商談の件数も判断材料です。
| 順番 | 確認対象 | 見る場所と作業 | 次の判断 |
|---|---|---|---|
| 1 | CVと申込み | 管理画面と営業記録を照合します。 | 二重記録や未対応を分けます。 |
| 2 | IP・発生時刻 | 取得できるログを確認してください。 | 偏りは追加確認の手がかりです。 |
| 3 | 入力値・連絡結果 | フォームと対応履歴を見ます。 | 無効の兆候と検討状況を分けます。 |
| 4 | 媒体・配信面・CV地点 | 広告の内訳と流入先を整理してください。 | 比較する単位の統一が必要です。 |
| 5 | CV後の率 | 同条件の集計表で比べます。 | 原因に合う対処を選びます。 |
TikTok固有の事情やクリック段階の不正については、次の記事が参考になります。
【関連記事】TikTok広告のアドフラウドの特徴と対策
診断はタグ設置後に始まります。確認できるのはアドフラウド被害状況で、結果が出るまでの目安は3日〜2週間程度です。診断中はブロック機能が作動せず、ブロックには本契約が必要です。
原因に合わせて選ぶ対処4つ
対処は、確認できた原因に合わせて選びます。計測の問題は、手順1の照合で切り分け、計測設定の見直しで対処します。変更後の評価には、CV数とCV後の成果の両方が必要です。
広告の訴求とフォームの入力条件を見直します
本人の認識にずれがある場合は、広告と申込み画面の説明を見直します。対象者や料金、申込み後の流れが伝わる内容か確認してください。
入力項目を増やす場合も、何を確かめるための項目かを決めることが大切です。変更後は、完了件数と有効リード率を併せて比較します。
根拠を整理して除外設定を見直します
繰り返し送信や架空入力など、判断に使った記録を整理してください。同一IPや時間帯だけで、一律に除外するのは避けます。
除外を検討する対象と理由は、記録に残してください。
無効CVを申告できるか、媒体の窓口を確認します
Google広告の「クリック品質フォーム」では、質の低い見込み顧客によるフォーム送信も調査依頼の対象です。
Googleは、請求前に検出した無効なクリックを請求対象から除外します。請求後に見つかった無効なクリックなどには、適切かつ可能な場合に、払い戻しではなく請求額の調整(クレジット)を行います。フォーム送信の相談と、請求額の調整対象は分けて確認してください。
無効なアクティビティのクレジットレポートは、検索とP-MAXキャンペーンが対象です。利用中のキャンペーン種類で、対象を確認してください。
出典:無効なアクティビティのクレジットレポートについて(Google広告ヘルプ)
TikTok・Metaの申告方法は、各媒体の公式ヘルプで確認してください。
自動最適化に使っている成果を確認します
学習に使っているCVが、資料請求・予約・商談のどれなのかを確かめます。実際に獲得したい成果との一致が、確認のポイントです。変更できる設定は、利用媒体の公式ヘルプで確認してください。
対策後にCV数が減っても、有効リードや商談が増えていれば、CV数の減少だけで悪化とは判断できません。同じ条件で、CV数・CV後の率・成果の件数を比較します。
| 対処 | 主に検討する状況 | 行うこと | 確認する条件 |
|---|---|---|---|
| 訴求・フォームの見直し | 本人の認識にずれがあります。 | 説明と入力条件を整えます。 | 変更前後の申込み条件 |
| 除外設定の見直し | 無効の兆候が重なっています。 | 記録を整理して対象を検討してください。 | 除外の根拠・媒体の設定 |
| 媒体への調査依頼 | 不審な流入や送信が続いています。 | 窓口と必要情報を確認します。 | 申告対象・キャンペーン種類 |
| 学習に使う成果の確認 | CVの定義と事業の成果にずれがあります。 | 成果の定義を整理してください。 | 利用媒体で変更できる設定 |
【関連記事】アドフラウド対策でCPAは本当に改善するのか
Spider AFの無料診断で何が分かりますか?
無料診断は、アドフラウド(無効クリック・無効トラフィック)の被害状況を測定するものです。ブロックは本契約後に始まります。
製品の機能と無料診断の範囲を確認します
Spider AFは、株式会社Spider Labsが提供するアドフラウド対策サービスです。無効クリック・無効トラフィックを検知し、広告媒体のIP・オーディエンスの除外設定に反映します。
無料診断で確認できるのは、被害額や無効クリック数などの被害状況です。
無効CVの検知・可視化は追加オプション「Ad Booster」です
Ad Boosterは、無効CVを検知し、管理画面で件数を確認できるようにする追加オプションです。
出典:Spider AF アドフラウド対策、縦型動画広告のCVに関する当社の調査
検知件数と、営業が確認した有効リード・商談の件数は分けて扱ってください。CV後の成果を評価するため、申込みや商談の記録も手元で整理してください。
| 項目 | 無料診断 | 本契約後のアドフラウド対策 | 追加オプション「Ad Booster」 |
|---|---|---|---|
| できること | アドフラウド被害状況を測定します。診断中はブロックしません。 | 無効クリック・無効トラフィックを検知し、媒体の除外設定に反映します。 | 無効CVを検知し、管理画面で件数を確認できるようにします。 |
| 問い合わせ時に確かめること | タグ設置の条件 | 利用する媒体で除外設定に反映できるか | 対応する媒体・CV地点・料金・無料診断の範囲に含まれるか |
出典:Spider AF アドフラウド対策、縦型動画広告のCVに関する当社の調査
まとめ
縦型動画広告のCVの質が下がった場合は、無効CV・意図の薄いCV・計測の問題を確認します。申込みや商談の記録から原因を絞り、同じ条件でCV後の成果を比べてください。
広告流入のアドフラウド被害状況を確かめたい場合は、Spider AFの無料診断を検討してください。
診断はタグ設置後に始まり、結果の目安は3日〜2週間程度です。診断中はブロック機能は作動しません。
よくある質問
Q1. 縦型動画広告のCVが、その後の商談や売上につながりにくいのはなぜですか?
最初に確かめる原因候補は、無効CV、意図の薄いCV、計測の問題の3つです。経過期間や営業の対応状況をそろえたうえで、CV後の率を同じ条件で比べます。縦型動画という形式だけで、原因は決められません。
Q2. 同じIPからCVが続いたら、無効CVと考えてよいですか?
IPアドレスが同じというだけでは、無効CVと断定できません。社内回線などを共有している場合もあります。発生時刻や入力内容、連絡結果も合わせて確認してください。
Q3. 無効CVと、購入意欲が低い人からのCVはどう見分けますか?
無効CVかどうかは、架空入力や機械的な送信などの兆候から確かめます。購入意欲を確かめる手がかりは、本人の申込内容や検討状況です。連絡がつかないという理由だけで、無効とは判断できません。
Q4. CVの質が下がると、広告の自動最適化にも影響しますか?
無効CVを成果として学習すると、配信の判断が偏るおそれがあります。まず、学習に使っているCVの定義の確認が必要です。変更できる設定は、利用媒体の公式ヘルプで確認してください。
Q5. アドフラウド対策ツールの無料診断を受けると、その場でブロックも始まりますか?
Spider AF(アドフラウド対策ツール)の無料診断中は、ブロック機能は作動しません。タグ設置後に測定が始まり、結果の目安は3日〜2週間程度です。確認できるのはアドフラウド被害状況で、ブロックには本契約が必要です。










