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Google広告のCTRを改善する簡単な8つの方法
Google広告がビジネスにおいてブランド認知度を80%向上させると言われています。
そして200万以上もあるウェブサイト動画やアプリといったGoogle広告を掲載できる総称をディスプレイネットワークと言いますが、このディスプレイネットワークに自社のビジネスを掲載できることを考えると、多くの事業者がGoogle広告を使ってマーケティング活動をすることは理解できることです。
次にクリック報酬型広告(PPC広告)、そしてマーケティングという職に就いているほとんどの人は、リスティング広告とSEOに関して、WEB集客において代表的なマーケティング手法として認識していると思います。
【関連記事】【CVアップ!】リスティング広告を最適化する広告文の作り方
その中でもGoogle広告のアカウントを運営するとき、注視すべき指標の1つが「クリック率(CTR)」です。
これはどれくらいのユーザーが一定期間に広告をクリックしたかを示しています。
この記事を読むと以下の内容に関して分かるようになります。
- Google広告のCTRとは何か、どのように計算されるのか
- 何が良いCTRで何が悪いCTRだと判断できるのか
- 改善するにはどのようにすればよいか
CTR改善に関して悩んでいる方は必見です。
クリック率(CTR)とは
クリック率(CTR)とは、ユーザーのインプレッション数のうち、広告をクリックした人の割合のことを指します。
そして以下のような計算式となります。
計算式
CTR=クリック数÷インプレッション数(表示回数)× 100
ここで例を挙げて計算してみましょう。
ある広告に1,000人のユーザーのインプレッションと100回のクリックがあったとします。すると
100(回クリック)÷1,000(インプレッション)×100 = 10%(CTR)
このとき、CTRは10%となります。
CTRは目的の広告を運用する上で重要となる指標であり、実際に確認することでどれくらいGoogle広告が良いパフォーマンスをしているか判断する指標ともなります。
よく勘違いされるCVRとCTRの違い
CTRと勘違いされる専門用語として「CVR」が存在します。CVRはConversion Rateの略称で「顧客転換率」を意味します。広告や検索を通じて、Webサイトに訪問してきたユーザーが目標行動に至った割合を示す指標です。
CVRに関しては以下記事にて詳細を説明しております↓
【関連記事】CVRとは?ネット広告において最重要指標について理解する
良いCTRの基準値とは
では、何が良いCTRと見なされるのでしょうか。
それは業界によって異なりますが、それぞれの業界のCTRを知ることで自社のGoogle広告キャンペーンが成功しているかどうかが分かります。
例えば、自社運用のCTRが3%だとします。
一見この数字は低いのでキャンペーンは上手く機能していないと感じると思います。
しかし業界の平均が2%であった場合、良い結果を出していると言えます。
Word Streamの調査によると、CTRの平均は以下のようになります。
業種とCTRの平均値
- B to B向け:2.4%
- マッチングサービス:6.1%
- 通販会社(EC):2.7%
- 不動産:3.7%
- 科学技術:2.1%
Google広告のCTRの全体平均は2〜6%です。
しかしあくまでこれは業界全体の平均値です。
具体的に自社のCTRを上昇させるには、小さな見直しと修正を加えるだけで広告のインプレッションが時には500%も増加します。
例えば100回広告が表示されても10回しかクリックされなかったとしましょう。
CTRを5%に改善するだけで2倍もクリック数が増えるのです。
この結果、100回広告が表示されれば、20回クリックされていることになります。
そして、CTRを改善しなくても他の要素が効果的な広告に作用していることもあり得ます。
例えば、日が経つにつれてCTRが低下し、以前ほどのトラフィックを獲得できていないことがあります。
これには、以下のいくつかの理由が考えられます。
- 広告の製品やサービスは、特定のユーザー層にしか関係がない。
- 購入を決める前にオンライン上で他のものを探している。
- ユーザーがランディングページで紹介されている内容と関係がない。
では次の章では具体的にCTRを向上させるための改善方法を説明していきます。
Google広告のCTRを改善する8つの方法
Google広告を適切に設定、運用していない場合、正しいCTRの数値は出ず、他の競合と比べてCTRが劣ってしまっていると言えます。
これを適切に改善しないと、トラフィック、検索順位、売上、全てにおいて良い結果を出すことができなくなってしまいます。
しかしながら、広告運営の経験があまりない場合、Google広告のCTRを改善する為に何をすれば良いか分からないかもしれません。
しかし、実はCTRの改善はとても簡単です。
以下の8つの項では広告の関連性を向上させ、平均以上のCTRを達成する8つの実践的な方法を紹介します。
1. 品質スコアを優先させる
品質スコアは、広告が検索者のクエリにどれくらい関連しているかを示すGoogleの基準です。
広告の文章、入札額、ランディングページの質、これまでのCTRなどがどれくらいユーザーの検索クエリに対応しているかを評価しています。
高い品質スコアであるほどCPCは低くなります。
そして、CPCが低くなるとより多く広告にクリックしてもらえます。
では良い品質スコアとはどのようなものでしょうか。
2013年、Googleは最低品質スコアを導入しました。
万が一ランディングページが非常に低いスコア(1〜3)であった場合、広告を運営することができなくなります。
では、平均の品質スコアとはどのようなものでしょうか。
例えばあまりニーズのないキーワードを設定すれば、平均は7となります。
しかし、ニーズがあり、かつ商業的なキーワードを設定すると平均は8〜9となります。
ここでの運用がもし4以下まで下がるということは、CPCが急上昇しているということを指します。
Googleアナリティクスでは、どの特定のキャンペーンや広告が低い品質スコアを示しているのか見ることができるので、より改善しやすくなります。
また、アカウントのヒストリーでそれぞれのキーワードがどのように機能しているか、さらに改善する必要があるのかを判断することができます。
【関連記事】Google広告スコアの仕組み&品質スコアの改善施策11つ
2.中から低程度の検索ボリュームを対象とする
キーワード検索をするとき、ほとんどの人が検索ボリュームに注目していると思います。
キーワードの検索ボリュームは、どれくらいのユーザーが自分が注目しているフレーズを検索しているかを示すものです。
確かにキーワードを選ぶ際、人気キーワードのみに注目しピックアップするかと思います。
これはできるだけ多くの人に届けたいと思う心理が働いているからです。
しかしこの考えに反するように思えるかもしれませんが、ボリューム量の多いキーワードが最適な選択とは限りません。
なぜなら、潜在的なユーザーがいる一方で多くの競合もいるからです。
要するに多くの人が既にそれらのキーワードを対象とし、ターゲットとしているのです。
最も良い方法は、中から低程度の量のクリックで関連したキーワードを使うことです。
そうすることで、CTRは急上昇します。
一部の人はより高い確率でCTRを改善できるので、ロングテールキーワードに注目することを勧めています。
ただし、デメリットは競争力が弱く、通常、月間検索回数はそれほど多くありません。
例えば「デジタルカメラ」というキーワードをターゲットとします。
より多くの広告主がこのキーワードで争うことになり、競争率が高くなります。
しかし「パノラマデジタルカメラ」のようなショートテールキーワードの方がより良いキーワードとしてGoogle広告のパフォーマンスも改善します。
そして、広すぎるキーワード使用は避けた方がベストです。
なぜならそのキーワードでは一握りの人しかウェブサイトにアクセスせず、思ったほどの結果は出ません。
【関連記事】PPC広告とSEOの違いとは?それぞれのメリットや選び方を解説!
【関連記事】SEO(SEM)対策に使うべき11つのキーワード選定ツール
3.正しい広告グループとキャンペーンをターゲットする
Google広告では、似たターゲットを共有する2つ以上の広告を「広告グループ」としてカテゴライズします。
そして、広告グループを共通のテーマに沿って整理する事ができ、ほとんどの場合広告はユーザーが広告を出したいと思った商品のタイプによって整理されます。
ではどれくらいの広告をグループ分けすることができるのでしょうか。
結論、いくつでもグループ分けは可能ですが、やりすぎはNGです。
広告の専門家はそれぞれの広告グループで3パターンの広告から運用始めることを勧めています。
では広告グループとはどのようなものなのでしょうか。
例えば「デジタルカメラ」に関係する記事を持つブログを持っているとしましょう。
その場合、キヤノンのデジタルカメラというキーワードを1つの広告グループにおいて対象とすることが出来ます。
一方で他のグループは、オリンパスのデジタルカメラのようなロングテールキーワードを対象とすることができます。
また、キーワードのグループごとに別々のGoogle広告のキャンペーンを作成することもできます。
この方法だと同時に違う興味を持つビジターを対象とすることができます。
このようにすることで品質スコアを改善して、CTRを増やすことも出来るようになるでしょう。
広告をより対象されたユーザーの検索に関連したものにすることができ、さらにGoogle広告のCTRを改善することもできます。
4.ネガティブキーワードも活用する
Google広告におけるゴールは「多くの人に届けることではなく、自社が提供するものに興味を持つ特定のグループの消費者に届けること」です。
そして消費者達にクリックをしてもらうことで広告費(お金)が発生します。
自分のターゲット層だけのユーザーを絞り込むため、ネガティブキーワードを加える必要があります。
ネガティブキーワードには、対象としているものに近いフレーズではあるが、引き込みたい人々とは関係のないフレーズを設定します。
またネガティブキーワードを排除することで、自分の広告キャンペーンに関係のないユーザーを排除することが出来て、CTRを増やすことが出来ます。
先程と同じような例として、デジタル一眼レフカメラを売るとしましょう。
その場合、探していない製品を見ることを防ぐためにビデオカメラというフレーズを含む個々のキーワードを排除するべきでしょう。
ネガティブキーワードのリストを作ることで、無関係の検索クエリを排除し、広告が視聴者の検索意図に沿ったものにすることができます。
5.タイトルに数字を入れる
プロモーションや期間限定キャンペーンを頻繁に実施していますか?
もしそうであった場合、 広告キャンペーンを利用した普及活動が必要です。
時間的制約のある広告とプロモーションコードは人々の興味を引くものなので、よりクリック数を増やすことができるでしょう。
さらにCTRの上昇に加えて、コンバージョンの急激な増加にも繋がります。
調査によると、数字を含む見出しは、CTRが200%向上し、コンバージョン率が25%近く高くなることが分かっています。
また、限定的なキャンペーンについて話すとき、FOMO広告の要素を使うとよいでしょう。
FOMOは"Fear Of Missing Out"(見逃しの恐怖)の略で、この広告の技術は消費者に切迫感を与え、希望する行動を実行する、つまりクリックをするように説得するために使用されます。
6.質問ベースの見出しを付ける
アメリカの中小企業の3分の2がGoogle広告を利用していると言われています。
もしグローバル市場での展開を目標としているのであれば、何千もの競合がいるということになります。
キャッチーなタイトルを付けることに熱中し過ぎず、検索意図に直接届くような質問を投げかけることにも注目すべきです。
例えば
「〇〇(場所)で最も良いキヤノンを取り扱っているカメラの店」という広告ではあまり興味を引くことはできません。より具体的に質問を投げかけると
「〇〇(場所)で最も良いキヤノンを取り扱っているカメラの店をあなたは探していますか?」とするとより興味を引くことができるでしょう。
このような簡単な調整でCTRは大幅に伸びます。
ソーシャル・インフルエンスの調査では、疑問形の見出しは普通のものよりも150%多くのクリックを得られると示しています。
更に見出しに「あなた」という単語を含めることで潜在的に175%クリックの数を増やすことができるとも言われています。
このように細かな箇所を意識するだけで、大きな結果に繋がることもあります。
7. 広告コピーでA/Bテストを常にする
広告グループを作り終えたら、最後に広告コピーが機能するかどうかテストしましょう。
よりコンバージョンの高い広告コピーを作る為の唯一の方法です。
Google広告の新機能「広告ローテーション」のおかげでより早くテストができるようになりました。
これは90日間同時に2つの広告運用を行います。
そしてどちらの広告がより良いか判断する時間が足りない場合は、より長い時間かけてテストすることもできます。
これをスプリットテスト(A/Bテスト)と言い、どの見出し、ディスクリプション、イメージが自分のターゲットの市場によく働いているかを探し出す方法です。
そして異なる広告コピーを互いにテストすることもできます。
すべての要素を同一にして並列に実行すると2週間後、異なる要素をテストする新しい広告を作ります。
コンバージョントラッキングは、最もよいコンバージョンをもたらす広告コピーがどれであるかをチェックしたいときに使えるものです。
これを使わなければ、上手く機能しているかを知ることが出来ません。
この機会にターゲットに合った広告を把握し、今後のGoogle広告運営でのCTRを高めていきましょう。
【関連記事】PPC広告のパフォーマンスを向上させるA/Bテストとは?
8.クリック詐欺を排除するための対策(アドフラウド対策)を行う
アナリティクスはCTRの最適化に大きな役割を果たしています。
しかしながら問題はGoogle広告のリンクのクリックが実は最大で50%もダミーと言われており、ほとんどの場合このようなクリックはウェブクローラーやボットが働いています。
なぜプログラムボットに広告をクリックさせているのでしょうか。
様々な要因がありますが一番は、競合他社がボットを使って意図的に広告予算を消費させ、広告パフォーマンスを低下させようとしている可能性もあります。
このように競合他社の広告費を意図的に消費させると、自然と広告出稿の機会が減り、ユーザーにまで届く機会が減ります。
広告出稿者はパフォーマンスが下がってきた場合、アドフラウド(広告不正)を疑うべきです。
【関連記事】ボットトラフィックの攻撃に注意!社内で行える対策方法は?
【関連記事】ネット広告詐欺はどのような手口で行われる?アドフラウドの手法9つ
しかしながら、実態は気づかない間に搾取、もしくは不正利用されていることの方が多いです。
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少しでも怪しいと感じたら無料トライアルを試してみてください。
まとめ
これらの項目から高いクリック率が成功の鍵であることはお分かりいただけたと思います。
CTRを改善することは良い広告コピーを作る事だけではなく、
- キーワードを入れ、ネガティブキーワードを排除すること
- 疑問を含む関連したタイトルを付ける
- 広告を全てテストし必要に応じて作り直す
ことが必要です。
最後に一番必要な事、それは広告運用を見直す際に、デジタル広告で発生しているアドフラウド(広告詐欺や広告費の不正詐取)対策も施しておきましょう。
▶︎▶︎アドフラウド(広告詐欺・広告不正)って何?◀︎◀︎
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【推定年間被害額1000億円超え】 広告効果を劇的に悪化させるアドフラウドとは?
▶︎▶︎2024年アドフラウド調査レポートを公開しました◀︎◀︎
Spider Labsの最新アドフラウド調査レポートを公開しました。
今回のSpider AFでの調査では2023年の1年間で解析したウェブ広告の29億2,500万クリックのうち、約4.9%にあたる1億4,332万クリックがアドフラウドであることが判明。これはおよそ71億6,625万円(1クリックあたり50円で計算)規模のアドフラウド被害があったと推測しております。
他にも新たに検出されたアドフラウド被害事例や、詳細数値が無料でご覧いただけます。
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