記事
SaaS企業がチャーンレートを重視する理由とは?数値を読み解く3つの視点を解説
健全な企業経営と、更なるサービスの改善を進める上で、重視したい指標がチャーンレートです。SaaS企業やその他サブスクリプションビジネスを展開する企業は、チャーンレートの動向を注視し、サービスやビジネスモデルの改善につなげています。
今回は、そんなチャーンレートが各企業で重視されている理由や、チャーンレートを正しく読み解くための視点について、自社サービスSpider AFを交えて解説します。
チャーンレートの概要
チャーンレートはサービスにおける解約率を表す指標です。サービスの契約に至っても、顧客は何らかのタイミングでサービスを解約し、利用を停止したり、他のサービスに乗り換えたりすることがあります。チャーンレートはそのような解約がどれくらいの割合で起こっているのかを明らかにしてくれる数値です。
チャーンレートの算出方法
チャーンレートの算出は、一定期間内にどれだけの顧客がサービスを解約したか、という割合を出すことで実現します。
計算式は非常にシンプルです。
計算式サービスを停止したor解約した顧客数(一定期間中))÷サービス利用者数×100=チャーンレート
となります。サービスを停止した人数や、サービスを利用した人の数はどの期間で計測するかにもよるので、必要に応じて当てはめると良いでしょう。
チャーンレートの種類
チャーンレートは、主に以下の2つの種類に分けることができます。それぞれの違いについて、確認しておきましょう。
カスタマーチャーン
カスタマーチャーンは、一般的にチャーンレートとして知られている数値指標です。ユーザー数を基準にした解約率を表す際、カスタマーチャーンが当てはまります。
解約した人の割合はもちろん、プランを以前の高級なものから、格安のものへ切り替えた際も、カスタマーチャーンレートによって算出可能です。
レベニューチャーン
レベニューチャーンは、主に収益を基準とした解約率を表す指標です。どの料金プランにおいて解約率が高くなっているのか、あるいは低くなっているのか、ということを見える化できます。
チャーンレートがSaaS企業で重視されている理由
チャーンレートは特にSaaS事業を展開する企業で重視されている指標です。チャーンレートが重要な理由としては、以下の2つが挙げられます。
収益性に直結するため
まず、チャーンレートは自社の収益と直結する指標であるためです。買い切り型の小売店などの場合、取引が成立した際に発生する支払い料金が売上につながるため、その後の解約については大きな意味を持たなかったり、そもそも解約という概念が存在しなかったりします。
一方でSaaS企業の場合、少しでも長く顧客に契約し続けてもらえることが、直接企業の収益性に繋がってきます。解約が発生した時点で収益がゼロとなってしまうので、チャーンレートの数値が高まってくると、組織の健全な成長や維持が立ち行かなくなる可能性が出てきます。
チャーンレートの動向を常にモニタリングしておくことで、テコ入れのタイミングや、適切な改善施策を見逃さずに済みます。
KPIを設定する上で重要な数値なため
チャーンレートは単体での運用はもちろん、他のKPI指標を策定する上でも役に立ちます。例えば一定期間での解約率を改善するためのKPIを策定したり、契約の更新数の改善を目指したりといったものです。
大局的なゴールを見失わないためにも、チャーンレートを正しく算出して、利活用していくことがSaaS企業やサブスクリプションビジネスには求められます。
SaaSが重要視すべきKPIについてのは以下記事でご覧ください
【関連記事】BtoBマーケティングにおけるKPIとは?SaaS企業が重視すべき目標と広告運用のノウハウ
チャーンレートの計測で得られるメリット
チャーンレートは単純な指標としてだけでなく、計測そのものが多くの事実を明らかにしてくれます。チャーンレート計測のメリットを確認しておきましょう。
既存ユーザーの満足度を測れる
まず、チャーンレートはユーザーが既存のサービスにどれくらい満足しているのか、ということを明らかにすることができます。
ユーザーの離脱率は、言い換えるとどれだけのユーザーが既存のサービスを継続利用してくれているか、ということになります。サービスの機能を改善したり、あるいはリニューアルした際の前後のチャーンレートを見比べたりすることで、満足度の推移を把握できます。
LTVを算出できる
チャーンレートをあらかじめ算出しておくことで、ユーザー一人当たりの顧客生涯価値、いわゆるLTV(Life Time Value)を算出することができます。顧客一人当たりの単価を、チャーンレートで割ることで算出可能です。
LTVの改善は事業の収益性に直結するため、経営指標としても非常に重視されています。また、LTVを育てていくためには、チャーンレートが小さい数字で抑えられている必要があります。
目標としている成長率を維持し、大きなリターンを獲得するためにも、チャーンレートを常に見える化しておくことが大切です。
チャーンレートを読み解くための3つの視点
チャーンレートを算出し、その結果を読み解く上では、以下の3つの視点に注目することが大切です。ひとつずつ解説します。
リアルタイムの顧客満足度を算出できるか
1つ目は、最新の顧客満足度を追いかけられているかどうかです。SaaSビジネスはトレンドの流れが早く、顧客満足度も常に変化している忙しい事業です。半年前は概ね高い評価を顧客から獲得できていたとしても、競合サービスが次々とアップデートによって利便性が高まってくると、既存の自社サービスでは満足できなくなる、というケースは珍しくありません。
自社よりもお得で便利なサービスが登場してくると、容易にそちらへ流れていってしまうことは想像に難くないものです。常にチャーンレートを追いかけることで、顧客満足度が低下していないかをモニタリングしておきましょう。
一例としてSpider AFのサービスも常にアップデートを行い、顧客満足度を高める活動を行っています。詳細は以下の記事をご覧ください
【関連記事】広告不正<アドフラウド>対策が最短5分で完了!国内最大級の対策サービス「Spider AF」が大型アップデートを実施
ロイヤルティを育てられるサービスを提供できているか
2つ目は、顧客ロイヤルティの維持、及び向上に取り組めているかどうかです。自社サービスを好んで使い続けてもらうためには、最新のサービスを提供し、十分なカスタマーサービスの提供と、定期的なコミュニケーションを実現する必要があります。
チャーンレートの上昇や、改善の進まなさに悩んでいる場合、ロイヤルティ醸成がうまくいっているかどうかを確認することが大切です。
顧客一人一人と向き合うことができているか
3つ目のポイントは、顧客一人一人のニーズと向き合えているかどうかの問題です。市場の縮小に伴い、新規顧客の獲得よりも、既存顧客との関係維持、そして低水準な解約率の維持が求められるようになった今日においては、彼らのニーズと一つずつ向き合うことが求められます。
顧客の運用動向をモニタリングし、分析にかけることで、共通する潜在ニーズや改善すべきポイントを見直し、実行に移してロイヤルティの確保に努めましょう。
自社でも多くの事例掲載をさせていただいている通り、各指標が大幅に改善した事例が多数ございます。
【関連記事】CPC高騰でお悩みのマーケター必見!月260万円広告費を削減し、広告改善を実現した事例をご紹介
【関連記事】13日間で73万円の被害額 青山商事「導入しないという選択はない」
【関連記事】有効なリードCPAが15%改善 ポーターズ「無効なリードを95%減らせました」
まとめ
チャーンレートが表す数字は、単に解約率の動向を探るのに有効なだけでなく、そこから見出される顧客満足度や、改善点を導く手助けとなります。
チャーンレートを正しく算出し、数値を分析するための視点を獲得することで、SaaSビジネスを磐石なものへと導けます。積極的に活用しましょう。
◆より質の高いリードを獲得するには?
企業にとってリード獲得とリードナーチャリングは顧客を作り出すためには、とても重要なマーケティング活動の一つです。
より具体的な施策ついて勉強したい場合は、こちらのE-Bookを活用してください
◆広告効果が出ないのはアドフラウド(広告詐欺)が原因かも
広告運用は様々な効果検証が必要となってきます。ただ、どんなに見直しを行っても効果が出ないことがあります。
もしかしたら、それはアドフラウド(広告詐欺)が原因かもしれません。
アドフラウドとは広告主から不正に広告費を搾取されており、その企業の広告費の流入先が実は反社会勢力に流れている可能性も。
実際にアドフラウドどのような手口かは以下の記事をご覧ください
【関連記事】ネット広告詐欺はどのような手口で行われる?アドフラウドの手法9つ
▶︎▶︎アドフラウド(広告詐欺・広告不正)って何?◀︎◀︎
そもそもアドフラウドって何?企業にとってどんな影響があるの?と疑問にお持ちですか?
そのような方に向けたウェビナーを開催しました。
サクッとアドフラウドについて知りたい方は以下オンラインコンテンツをご覧ください。
【推定年間被害額1000億円超え】 広告効果を劇的に悪化させるアドフラウドとは?
▶︎▶︎2024年アドフラウド調査レポートを公開しました◀︎◀︎
Spider Labsの最新アドフラウド調査レポートを公開しました。
今回のSpider AFでの調査では2023年の1年間で解析したウェブ広告の29億2,500万クリックのうち、約4.9%にあたる1億4,332万クリックがアドフラウドであることが判明。これはおよそ71億6,625万円(1クリックあたり50円で計算)規模のアドフラウド被害があったと推測しております。
他にも新たに検出されたアドフラウド被害事例や、詳細数値が無料でご覧いただけます。
ぜひ以下リンクよりご覧ください。
>>ダウンロードはこちら<<