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スマートディスプレイキャンペーン(SDC)の設定方法と知るべき注意点
スマートディスプレイキャンペーンは、入札、ターゲット設定、広告作成を全て自動化できるサービスです。広告配信の効率を高められるので、導入している企業が数多く存在します。
今回の記事では、スマートディスプレイキャンペーンの概要、利用時の設定方法、注意点について解説します。今後、スマートディスプレイキャンペーンを活用する予定のユーザーにとって必見の内容です。
スマートディスプレイキャンペーン(SDC)とは?
スマートディスプレイキャンペーンは、Googleが保有する豊富なデータと機械学習を用いて、コンバージョンの最大化を行うサービスです。
入札、ターゲット設定、広告作成をすべて自動化できるため、広告担当者の負担を減らすことに繋がるでしょう。
広告の単価調整、クリエイティブと広告文の組み合わせなど、細かい設定も自動化できるのが魅力です。
そこで、自社で実際に利用する場合は、課金形態や使用時の条件も確認しておきましょう。
1. 課金形態
スマートディスプレイキャンペーンでは、「目標コンバージョン単価」によって課金が発生します。
過去のデータ、オークションの状況を基に入札単価が広告に表示されるたび、自動的に算出される仕組みです。
例えば、目標コンバージョン単価を 1,000 円に設定した場合は、平均 1,000 円で多くのコンバージョンを獲得できるように、入札単価が自動的に調整されます。
また、2018年4月より、クリック単価だけではなく、コンバージョンに対する支払いに変更できるようになりました。
自社の目的に合わせて、請求方法を変えるという使い方も可能です。
2. 使用する際の条件
利用する場合は、下記のどちらかの条件を満たしている必要があります。
- 過去30日間にGoogleディスプレイ広告で、最低50件以上のコンバージョンを獲得している
- 検索ネットワークで100件以上のコンバージョンを獲得している
スマートディスプレイキャンペーンでは、コンバージョンしたユーザーのデータを分析します。
そして、データを基に類似するユーザーへ配信するという仕組みです。
そのため、使用する際の条件としてコンバージョンが重視されています。
スマートディスプレイキャンペーンを活用する際のメリット
スマートディスプレイキャンペーンを活用する際のメリットとして、下記の2つが挙げられます。
- 工数の削減ができる
- コンバージョンにつながりやすい
いずれも理解度を深める際に重要なポイントなので、1つずつ確認していきましょう。
1. 工数の削減ができる
スマートディスプレイキャンペーンでは、ターゲティング、単価調整、広告作成など手間がかかる作業を一括して自動化できます。
膨大なデータを用いて機械学習を行い、ユーザーに配信できるので比較的精度が高いのも強みです。
他のキャンペーンや施策に集中したいという企業に、特に役立つサービスと言えるでしょう。
2. コンバージョンにつながりやすい
スマートディスプレイキャンペーンでは、潜在層だけではなく、より確度の高い顕在層に対しても広告配信を行います。
潜在層のみに広告配信を行うよりも、効果的に配信できるので成果につながりやすいのがメリットです。
多くのユーザーに配信することが可能なので、新規ユーザーを獲得する際にも役立つでしょう。
スマートディスプレイキャンペーンを活用する際のデメリット
スマートディスプレイキャンペーンは自動配信を行うため、広告配信において細かいコントロールができません。
もし、成果が上手くいっていない場合でも単価を下げたり、配信対象を絞ったりできないので、思ったように成果を挙げることが難しいです。
また、性別の除外、デバイスの配信設定ができない点にも注意が必要です。
スマートフォンに配信したくなくても、スマートフォンユーザーに届いてしまうので自社の狙ったターゲットに上手く届かない場合もあるでしょう。
不正な配信面(アドフラウド)にも注視して運用する
Spider AFではSDCにおける以下のアドフラウド(広告不正)を検知しました。
上記画像は不正ユーザー(業者)が似たようなレイアウトのサイトを 100件弱作成。そのアドネットワークの広告枠にとある企業の広告が掲載されていました。
これは不正ユーザー自らが広告をクリックしコンバージョンを行い、広告枠自体のCVRを60%以上にまで意図的に引き上げていたのです。
以上のような実害もありますので、広告運用者は注意が必要となります。
詳しくは以下リンクをご覧ください
【関連記事】自社の広告出稿先は大丈夫?プレースメント除外する理由とその原因を解説
スマートディスプレイキャンペーンの設定方法
設定する際の手順は、下記のとおりです。
1.Google広告を開く
2.[新しいキャンペーンを作成]をクリックする
3.キャンペーン目標を選択で任意の項目をクリックする
4.「ディスプレイ」をクリックする
5.「スマートディスプレイキャンペーン」をクリックする
6.「続行」をクリックする
6.キャンペーン名や配信地域を設定する
7.目標コンバージョン単価と1日に使う予算を設定する
8.広告の設定を行う
9.画面下部にスクロールして「キャンペーンの作成」をクリックして設定完了
スマートディスプレイキャンペーンを利用する際の注意点
スマートディスプレイキャンペーンを利用する場合は、下記の4点に注意しましょう。
- パフォーマンスが悪化している場合は配信を減らす
- コンバージョンデータを獲得する
- 目標CPA単価を低く設定しすぎない
- 設定を頻繁に変更しない
これらの注意点を把握していないと、高い成果に結びつかないので注意しましょう。
1. パフォーマンスが悪化している場合は配信を減らす
運用を続けていて、パフォーマンスが悪化している場合は「目標コンバージョン単価」を下げるといいでしょう。
クリック単価が下がるため、CPAの低下を防ぐことが可能です。
また、ディスプレイキャンペーンやショッピング広告の配信を同時に行っている場合は、配信を止めるのも1つの手段です。
他のキャンペーンのデータが分散して正しい分析を行えなくなり、機械学習の精度が落ちる場合があります。
配信状況を確認し、調整しながら機械学習の精度を高めていけると理想的です。
2. コンバージョンデータを獲得する
スマートディスプレイキャンペーンの広告最適化は、過去のコンバージョンデータを基に行われます。
1日あたりのコンバージョン数が少ない案件だと、広告最適化の精度が下がる恐れがあるでしょう。
スマートディスプレイキャンペーンを利用する場合は、効果を最大化するためにもコンバージョンデータを多く取得してから始めるのがおすすめです。
3. 目標CPA単価を低く設定しすぎない
目標CPA単価を低く設定しすぎてしまうと、システム側からその単価でコンバージョンに繋がるユーザーはいないと判断されます。
広告が表示される回数が少なくなってしまうので、コンバージョンの数自体が下がってしまう可能性が高いです。
そのままでは、最適化のためのデータが得られず、機械学習の精度が下がる恐れがあります。
悪循環に陥ってしまい、効果的な運用が望めなくなるので注意しましょう。
4. 設定を頻繁に変更しない
予算や目標CPA単価を頻繁に設定変更してしまうと、最適化の精度が下がります。そのため、予算や目標CPA単価を決定した後は、1週間〜10日は変更しないことが大切です。
効果が思ったように上がらない場合でも、焦らずに運用を続けていきましょう。
ただし、注意点としてはイタズラなCVがあった場合はそのデータも機械学習されてしまうため、常にチェックが必要です。
効果確認に関して
自社内でイタズラや不正CVのチェックを行うとなると、つい目視チェックを行なってしまうと思います。残念ながら目視チェックでは限界、もしくは不完全と言えます。
Spider AFでは企業様が手間をかけることなく、広告費の不正搾取を自動で抽出できます。
実際に工数削減された実例もございます。
【関連記事】有効なリードCPAが15%改善 ポーターズ「無効なリードを95%減らせました」
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SDC施策で成果が出ない場合は「プレースメント除外」を行うべき
実際にスマートディスプレイキャンペーンを実施してみたものの。思ったような効果が出ないことがあります。その際、「プレースメント除外」の設定を行うと広告配信の精度を高められます。
プレースメント除外とは、成果の悪い配信先を除外する設定のことを指します。
自社の意図しない場所に広告配信を行わないように設定できるので、無駄なコストを削減することが可能です。
より自社の商材やサービスに合ったユーザーに広告を届けやすくなるため、成果の向上にも繋がりやすくなるでしょう。
プレースメント除外については、下記の記事でさらに詳しく解説しているので、合わせてご参考にしてください。
【関連記事】自社の広告出稿先は大丈夫?プレースメント除外する理由とその原因を解説
まとめ
スマートディスプレイキャンペーンを行うことで、広告配信の効率を高めたり、コンバージョン率の向上が狙いやすくなったりします。
設定もシンプルなので、どの企業でも取り組みやすいのが強みです。
ただ、始める際には条件がある上に、細かいコントロールができないというデメリットがあります。
利用する場合は注意点も多く存在するので、今回の記事をご参考に運用をしてみるといいでしょう。
また、Spider AFではスマートディスプレイキャンペーンを狙った不正も確認されています。
詳しい内容は以下ホワイトペーパーをご覧ください。
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