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プログラマティック広告(運用型広告)とは?メリットや課題を解説!
プログラマティック広告は広告主・媒体双方にとって便利な仕組みである一方、悪用されることで企業のブランドイメージの毀損や不正アクセスの温床になるなどの課題も持ち合わせています。
今回はそんなプログラマティック広告について、基礎知識やメリット、問題点などをわかりやすく解説していきます。
プログラマティック広告とは
プログラマティック広告とは、リアルタイムで広告枠の入札を自動的に行い、広告を表示する仕組みのことです。
広告の種類ではなく、あくまでプロセスを指すことから、「プログラマティック・バイイング(自動買付)」や「運用型広告」と呼ばれることもあります。
プログラマティック広告とよく比較されるのが「純広告」です。純広告は「予約型広告」とも呼ばれ、Webメディアなどの固定の広告枠を買い取りその枠に掲載する広告です。
Webメディアではトップページやサイドバーに純広告の固定枠を用意していることが多く、「1か月あたり◯◯円」「広告の表示回数×◯◯円」などさまざまな内容で契約します。
これに対してプログラマティック広告は、あらかじめ指定した条件(予算や入札枠の上限など)をもとに自動で広告枠の買い付けを行い、広告を表示する仕組みです。
「1クリックあたり◯◯円」といった形で契約するものが多く、広告枠の売買はリアルタイムのオークション形式で行われます。
そしてユーザーがWebページを表示させるたびに、その瞬間に入札を勝ち取っていた広告主が広告を配信できるようになっています。
プログラマティック広告が登場したのは2010年頃のことですが、登場以来急速な広がりをみせ、デジタル広告のなかでも圧倒的なポジションを確立するに至りました。
Interactive Advertising Bureauの「Brand Disruption 2020」調査においても、プログラマティック広告は2021年まで順調に成長し、約910億ドルのの支出も予想されています。
プログラマティック広告のメリット
プログラマティック広告のメリットは、アドネットワークが買い付けない余剰在庫の広告枠を有効活用できるようになった点です。
これがどういうことなのかを理解するには、プログラマティック広告が誕生した背景を知る必要があるでしょう。
もともとインターネットのディスプレイ広告は純広告での取引がメインでした。しかしWebサイトの増加にともなって取引が複雑になり、それを回避するために「アドネットワーク」を介した広告配信が用いられるようになりました。
アドネットワークとは、広告媒体のWebサイトを集めて「広告配信ネットワーク」を形成し、多数のWebサイトで広告配信を行う手法のことです。
そのなかで「アドネットワークが買い付けない余剰在庫の広告枠」も発生していました。これをマネタイズしたいという要望から生まれたのが、リアルタイムでのオークション取引を行う「RTB(Real Time Bidding)」です。
RTBはユーザーがWebページを表示するたびに瞬時に行われるため、手作業による制御はできません。そこで広告主が事前に条件を設定し、その条件にそって自動売買できるように作られたのが「プログラマティック広告」と呼ばれる仕組みなのです。
このように、プログラマティック広告の登場によってアドネットワークが買い付けない広告枠も効率的に利用できるようになりました。
広告主・媒体双方にとってメリットの大きい仕組みといえるでしょう。
プログラマティック広告の課題
上述したメリットの一方、プログラマティック広告には課題もあります。それは「オーディエンスデータの精度さえ良ければ、Webページの質が悪くても広告主に売れるようになってしまった」点です。
オーディエンスデータとは、Cookieで収集したユーザーの性別や年齢、住んでいる地域、Webサイトの訪問履歴などの情報を含んだデータのことです。
プログラマティック広告ではこのオーディエンスデータをもとに広告枠の売買が行われるため、ユーザーの興味関心に合った最適な広告を配信することができます。
これは広告主にとって大きな利点ですが、逆にいえば「オーディエンスデータの精度さえ高ければ、Webサイトの質に関係なく広告枠を売買可能な仕組みができあがってしまった」ともいえるのです。
媒体側がプログラマティック広告を悪用すれば、「低品質なサイトを大量に作り、広告枠をたくさん用意して儲ける」といったことも可能となってしまいます。
中には広告費の20%がこうした低品質なサイトに配信されていたというケースもございます。
具体的には暴力やアダルト、ヘイトスピーチなどの不適切な内容のコンテンツでユーザーを集めているサイトもあり、そこに自社の広告が掲載されてしまった場合はブランド毀損のリスクも考えられるでしょう。
【関連記事】ブランディング基礎|ブランドセーフティのポイント3選【事例あり】
広告主を守る「アドベリフィケーション」の登場
プログラマティック広告を悪用した一部媒体の不正対策として「アドベリフィケーション」が近年注目されています。
アドベリフィケーションとは、配信する広告が広告主の意図や条件から外れた場所に掲載されていないかをチェックする機能のことです。
アドベリフィケーションツールを導入することで、前述した「ブランド毀損を招くサイトへの広告掲載」に対しても迅速な対処が可能となります。
そのほか、多くのアドベリフィケーションツールは「アドフラウド」や「アドクラッター」などの問題が発生していないかを検証する機能も備えています。
・アドフラウド
自動プログラムによって広告の表示回数やクリック数を不正に増やし、広告費をだまし取る行為のこと。「広告不正」や「広告詐欺」とも呼ばれる。
広告費の40%がアドフラウドのメディアに配信されていたということもあり、もし広告費が100万円であれば40万円も無駄になっています。
・アドクラッター
同じページ内にあまりに多くの広告が表示されている状態のこと。そのようなページは、ユーザーがネガティブな印象を受けて広告効果が下がる可能性があります。
プログラマティック広告を活用する広告主のブランドや利益を守るうえで、アドベリフィケーションは非常に重要な役割を担っているのです。
アドフラウド(広告詐欺・広告不正)とは?
最近、少しずつ耳にするようになってきた「アドフラウド」。アドフラウドは不正業者による不正な手法によって広告の閲覧、クリックを水増し、広告報酬を搾取する不正行為を指します。
そのため、リスティング広告でクリックやコンバージョンに至ったとしても、実は被害を受けたことで効果に繋がっておらず、気付かず無駄な広告費を支払っていたということも。
ちなみにSpider Labs調べではアドフラウドの推定年間被害額が1000億円以上とも言われています。
【関連記事】ネット広告詐欺はどのような手口で行われる?アドフラウドの手法9つ
このような不正行為から身を守ることが、広告担当者やマーケターの業務として新しく求められてきているのです。
ただ、具体的にそもそもアドフラウドって何?企業にとってどんな影響があるの?とお持ちの方も多いと思います。
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▶︎▶︎【推定年間被害額1000億円超え】 広告効果を劇的に悪化させるアドフラウドとは?◀︎◀︎
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プログラマティック広告キャンペーンには必ずといっていいほどアドフラウドが存在しております。またその割合も多い場合で40%にも上ります。
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【関連記事】アドフラウド対策ツール「Spider AF」のアドフラウド検知方法を解説!
Web広告やアプリ広告、リスティング広告など、あらゆる広告タイプをサポートしています。
実際にアドベリフィケーションツールを導入された企業様の声についても紹介しております。
【関連記事】アドフラウド対策は必ず必要!企業の事例から見た「ぶっちゃけトーク」
まとめ
今回はプログラマティック広告に関する基礎知識や、使うメリット・課題などについて解説しました。
記事内でも述べたように、プログラマティック広告の市場規模は今後も成長し続けると予想されており、デジタル広告に限定せずさまざまな場面で利用されていくでしょう。
最後に紹介したアドベリフィケーションツールの導入なども検討し、適切なリスク管理を行いながらプログラマティック広告を活用していきましょう。
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