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【GA4対応】アトリビューション分析のやり方とは?モデルの選び方から予算最適化まで実践解説

【GA4対応】アトリビューション分析のやり方とは?モデルの選び方から予算最適化まで実践解説

Webマーケティング施策の成果を評価する際、「どの広告が直接コンバージョンに繋がったか」だけを見ていませんか。

SNS広告や記事広告など、ユーザーが最初に目にする施策の貢献度が正しく評価されず、予算削減の対象になってしまうケースは少なくありません

この記事では、そうした課題を解決する「アトリビューション分析」について、専門外の担当者でも理解できるよう基礎から解説します。

  • アトリビューション分析の各モデルを理解し、自社に最適なものを選べるようになる
  • Googleアナリティクス4(GA4)を使った具体的な分析手順がわかる
  • 分析結果を基に、データに基づいた広告予算の最適化が可能になる

ラストクリックだけの評価から脱却し、各施策の真の価値を可視化する方法を学びましょう

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目次

アトリビューション分析とは?ラストクリック評価の限界と現代マーケティングにおける重要性

アトリビューション分析とは、ユーザーが商品購入や問い合わせといったコンバージョンに至るまでの道のりで接触した、すべてのマーケティング施策の貢献度を正しく評価する手法です。

スマートフォンの普及により、ユーザーはSNS、検索エンジン、動画サイトなど、さまざまなチャネルを複雑に行き来して情報を集めるようになりました。
そのため、コンバージョン直前のクリック(ラストクリック)だけを評価する従来の方法では、認知拡大や比較検討の段階で貢献した施策の価値を見過ごしてしまいます。

アトリビューション分析は、このラストクリック評価の限界を乗り越え、現代の複雑な顧客行動に即した効果測定を実現するために不可欠な考え方なのです。

アトリビューション分析で実現できる4つのメリット

アトリビューション分析を導入することで、マーケティング活動に多くのメリットがもたらされます。

データに基づいた客観的な判断が可能になり、戦略の精度を飛躍的に向上させることができます

メリット 詳細
広告予算の最適化 各チャネルの真の貢献度を可視化し、費用対効果(ROI)が最も高い施策へ予算を重点的に配分できます。
間接効果の可視化 これまで評価が難しかった認知段階の施策(SNS広告やディスプレイ広告など)の貢献度を正しく評価できます。
顧客理解の深化 ユーザーがどのような経路を辿ってコンバージョンに至るのか(カスタマージャーニー)を深く理解し、施策改善に活かせます。
戦略的な意思決定 勘や経験に頼るのではなく、客観的なデータに基づいて施策の評価や予算配分を決定できるようになります。

知っておくべき注意点と課題

多くのメリットがある一方、アトリビューション分析にはいくつかの注意点も存在します

導入前にこれらの課題を理解しておくことで、よりスムーズに分析を進めることができます。

  • データの正確性の確保
    • 顧客の行動は複雑で、すべてのデータを完璧に追跡することは困難です。特に、不正なクリック(アドフラウド)などがデータに混入すると、分析結果が大きく歪む可能性があります。
  • 適切なモデル選択の難しさ
    • アトリビューション分析には複数のモデルがあり、自社のビジネスや分析目的に合わないモデルを選ぶと、誤った結論を導き出す恐れがあります。
  • コストと専門知識
    • 高度な分析を行うには、専門ツールの導入コストや、分析スキルを持つ人材が必要になる場合があります。

【基本を理解】アトリビューション分析の主要モデル6選と選び方

アトリビューション分析には、貢献度をどのように評価するかに基づいて、いくつかの「モデル」が存在します。どのモデルが絶対的に優れているというわけではなく、自社のビジネスモデルや分析したい目的に応じて最適なものを選択することが重要です。

ここでは、代表的な6つのモデルについて、それぞれの特徴を解説します。

1. ラストクリックモデル(終点モデル)

コンバージョンに至る直前にクリックされた広告やチャネルに、貢献度を100%割り当てる最もシンプルなモデルです。多くの広告プラットフォームで標準設定となっており、理解しやすい点がメリットです。

しかし、コンバージョンまでの過程で接触した他の施策の貢献を完全に無視してしまうという大きなデメリットがあります。

2. ファーストクリックモデル(起点モデル)

ラストクリックとは対照的に、ユーザーが最初に接触した広告やチャネルに貢献度を100%割り当てるモデルです。ブランドや商品の認知度向上を目的としたキャンペーンの効果を評価するのに適しています。

一方で、コンバージョンに直接繋がった施策の評価ができない点がデメリットです。

3. 線形モデル(均等配分モデル)

コンバージョンまでに接触したすべてのチャネルに対して、貢献度を均等に割り当てるモデルです。例えば、4つのチャネルに接触した場合、それぞれに25%ずつの貢献度を配分します。

カスタマージャーニー全体の接点を平等に評価したい場合に有効ですが、各接点の重要度の違いは反映されません。

4. 減衰モデル(タイムディケイモデル)

コンバージョン発生日に近い接点ほど貢献度を高く評価し、時間的に遡るにつれて貢献度を低く割り当てるモデルです。

検討期間が比較的短い商材や、期間限定のセールなど、直前の訴求が重要となるキャンペーンの評価に向いています。

5. 接点ベースモデル(ポジションベースモデル)

ユーザーが最初に接触した接点と、最後に接触した接点の両方を高く評価するモデルです。例えば、最初と最後にそれぞれ40%、中間の接点に残りの20%を均等に割り当てます。

「認知」と「刈り取り」の両方をバランス良く評価したい場合に適しています。

6. データドリブンモデル

過去の膨大なコンバージョンデータや経路データを機械学習で分析し、各接点の貢献度を統計的に算出する最も高度なモデルです。GA4でも利用可能で、客観的で精度の高い分析が期待できます。

ただし、正確なモデルを構築するためには、一定期間内に十分な量のデータ(クリック数やコンバージョン数)が必要となります。

【目的別】自社に最適なアトリビューションモデルの選び方

どのモデルを選べばよいか迷う場合は、分析の目的から考えてみましょう。

以下の表を参考に、自社の状況に最も近いモデルを選択してください。

分析の目的 推奨モデル ビジネスモデル・状況の例
ブランド認知度や新規顧客獲得の評価 ファーストクリックモデル 新商品のローンチキャンペーン、BtoBでのリード獲得初期施策
CV直前の刈り取り施策の評価 ラストクリックモデル、減衰モデル リスティング広告の指名キーワード、リターゲティング広告
カスタマージャーニー全体の評価 線形モデル、接点ベースモデル 検討期間が長く、複数の情報収集を行う高関与商材(自動車、不動産など)
客観的で精度の高い分析 データドリブンモデル 豊富なデータ量を持つECサイトやWebサービス
【重要】Googleアナリティクス4 (GA4) での変更点
現在、Googleアナリティクス4(GA4)ではアトリビューション分析の標準が「データドリブンモデル」となっており、上記に記載されているファーストクリック、線形、減衰、接点ベースモデルはレポート機能から廃止されています。ラストクリックモデルは比較目的で利用可能ですが、分析の主流はデータドリブンモデルへと移行しています。

【実践編】GA4を使ったアトリビューション分析の具体的な方法3ステップ

ここからは、多くの企業で導入されているGA4を使い、実際にアトリビューション分析を行うための具体的な手順を3つのステップで解説します

専門的な知識がなくても、画面の指示に従って進めることで、自社のマーケティング施策の貢献度を多角的に分析できます。

Step1: GA4のアトリビューション設定を確認・変更する

まず、分析の基準となるモデルを設定します。

GA4では、プロパティ単位で「レポート用アトリビューションモデル」を定義でき、これが各レポートの標準的な計算基準となります。

  1. GA4の左側メニューから「管理」をクリックします。
  2. プロパティ列にある「アトリビューション設定」を選択します。
  3. 「レポート用アトリビューションモデル」のプルダウンから、分析の基準としたいモデル(推奨は「データドリブン」)を選択し、保存します。

この設定はいつでも変更可能ですが、変更が反映されるのは変更後のデータからです。

Step2: 「モデル比較」レポートで貢献度の違いを発見する

次に、異なるモデルで成果を比較し、これまで見過ごされていたチャネルの貢献度を発見します。

  1. GA4の左側メニューから「レポート」 > 「広告」をクリックします。
  2. パフォーマンス項目の中にある「モデル比較」を選択します。
  3. レポート画面で、比較したいモデルを2つまたは3つ選択します(例:「ラストクリック」と「データドリブン」)。
  4. チャネルごとのコンバージョン数や収益の変化を確認します。

データドリブンモデルと比較してラストクリックモデルの数値が低いチャネルは、これまで貢献度が過小評価されていた可能性があります。

Step3: 「コンバージョン経路」レポートで顧客行動を深掘りする

最後に、ユーザーがコンバージョンに至るまでの具体的なチャネルの組み合わせと順序を分析します。

  1. 「広告」レポート内の「コンバージョン経路」を選択します。
  2. レポート上部の「経路のステップ数」や「コンバージョンまでの日数」でデータを絞り込めます。
  3. レポート中央のビジュアライゼーションで、「初期のタッチポイント」「中期のタッチポイント」「最終タッチポイント」における各チャネルの貢献割合を確認します。

このレポートを見ることで、「SNS広告で認知し、オーガニック検索で情報収集し、リスティング広告でコンバージョンした」といった具体的な顧客行動パターンを把握できます。

分析精度が結果を左右する!知っておくべきアドフラウドのリスクと対策

アトリビューション分析は非常に強力な手法ですが、その精度は元となる「データの質」に大きく依存します。もし分析データに不正なものが含まれていれば、どれだけ高度なモデルを使っても誤った結論を導き出しかねません。

特に注意すべきが、広告不正「アドフラウド」のリスクです。

アドフラウドがアトリビューション分析に与える悪影響とは?

アドフラウドとは、ボットなどのプログラムによって、人間が操作しているかのように見せかけて広告のクリックや表示、コンバージョンを発生させる不正行為です。これらの不正なデータが計測されてしまうと、特定の広告チャネルの成果が不当に水増しされます

その結果、実際には効果のない広告に「貢献度が高い」という誤った評価が下され、貴重な広告予算を無駄にしてしまうリスクがあるのです。

【関連記事】アドフラウドとは?広告詐欺・不正広告の種類や仕組み、対策の成功事例を解説

【独自情報】広告不正対策ツール「Spider AF」で精度の高い分析を実現

正確なデータに基づいたアトリビューション分析を行うためには、アドフラウド対策が不可欠です。広告不正対策ツール「Spider AF」は、AIと機械学習を活用して、アドフラウドをリアルタイムで検知・ブロックします。

200以上のパラメータを分析する独自のアルゴリズムにより、人間では見分けられない巧妙な不正も見逃しません。
実際にSpider AFを導入した企業では、以下のような声をいただいております。

  • Spider AFのおかげでノイズに惑わされずに広告効果を評価できるため、マーケティングチームの生産性が上がりました。(エン・ジャパン株式会社様)
  • 大きな成果で言うと、やはりアドフラウドのようなノイズを除去できたことですね。(ecforce様)

Spider AFを導入することで、汚染されていないクリーンなデータで分析が可能となり、アトリビューション分析の効果を最大化できます

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【関連記事】急成長企業がテレビ・タクシーCM実施前に行うべきアドフラウド対策。 無駄になっている膨大な広告費を最適にアロケーションする手法とは?

分析結果を次のアクションに繋げる方法

アトリビューション分析は、結果を見て終わりではありません。得られたインサイトを具体的なアクションに繋げ、PDCAサイクルを回していくことが最も重要です。

貢献度に基づいた広告予算の再配分

分析によって、これまで過小評価されていたチャネルや、逆に費用対効果が低いと判明したチャネルが明らかになります。

この結果に基づき、広告予算の再配分を行いましょう。

  • 貢献度が高いと判明したチャネル(例:認知段階のSNS広告)への予算を増額する。
  • 貢献度が低いチャネルの予算を削減し、効果の高いチャネルへ振り分ける。

このような予算最適化を継続的に行うことで、マーケティング活動全体のROIを最大化できます。

上司や関係部署を納得させるレポーティングのコツ

分析結果を基に予算変更などを提案する際は、上司や関係部署への分かりやすい説明が不可欠です。単に数字のデータを並べるのではなく、以下のようなストーリーで報告することを意識しましょう。

  1. 課題の提示: 「従来のラストクリック評価では、〇〇施策の貢献度が正しく測れていないという課題がありました」
  2. 分析と発見: 「そこでアトリビューション分析を行った結果、〇〇施策がコンバージョンに至る初期段階で重要な役割を果たしていることが判明しました」
  3. 結論と提案: 「よって、〇〇施策の予算を〇%増額し、代わりに△△施策の予算を最適化することを提案します。これにより、全体のROIが〇%改善する見込みです」

客観的なデータを根拠に論理的なストーリーを組み立てることで、説得力のある提案が可能になります。

まとめ|アトリビューション分析でデータドリブンな意思決定を

アトリビューション分析は、複雑化する現代のマーケティングにおいて、各施策の真の価値を明らかにするための強力な手法です。ラストクリック評価の限界を理解し、GA4などのツールを活用して多角的な分析を行うことで、これまで見過ごされていた貢献を発見できます。

重要なのは、分析を一度で終わらせず、得られたインサイトを基に予算配分や施策の改善といったアクションに繋げ、継続的にPDCAサイクルを回していくことです。

まずは第一歩として、自社のGA4を開き、「モデル比較」レポートを眺めてみることから始めてはいかがでしょうか。そこから、データに基づいた意思決定への道が拓けるはずです。

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