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意外と知らない、3PAS(第三者配信)の仕組みを学んで広告運用に活かす方法

意外と知らない、3PAS(第三者配信)の仕組みを学んで広告運用に活かす方法
意外と知らない、3PAS(第三者配信)の仕組みを学んで広告運用に活かす方法
目次

広告運用者のなかでも3PASが必要とされている背景や仕組みを詳しく理解できていない人も少なくないでしょう。また、3PASにもデメリットが存在します。3PASを導入する際には、そのことも理解した上で導入すると、より使いこなせるはずです。本記事では、3PASの意味や仕組み、メリットなどを解説します。

3PAS(第三者配信)の意味とは?

ここでは、3PASの広義と狭義の意味を解説します。また、アドサーバーとの違いも解説します。

 

広義と狭義の意味を解説

ここでは、3PAS(3rd Party Ad Serving)の意味を解説します。3PASの広義と狭義の意味は、それぞれ以下のとおりです。

意味詳細広義広告の配信先となる媒体に対し直接広告を配信するのではなく、配信先以外の第三者のサーバーから媒体に広告を配信すること狭義複数の媒体における広告を一元管理し、配信や効果測定を行うアドサーバー

アドサーバーとの違い

アドサーバーとは、媒体からのリクエストを受けて広告の配信を行うサーバーのことです。広告をクリックした閲覧者に対して、広告主の設定したリンクに誘導します。また、閲覧者のIPアドレスやブラウザなどの記録を残すため、広告の効果測定にも活用できます。3PASとアドサーバーとの違いは、3PASは広告の管理や効果測定を行うのに対し、アドサーバーは広告配信専用であることです。

3PASが必要とされている背景とは

ここでは、3PASが必要とされている背景を2つ解説します。

直営で複数広告の管理・効果測定は難しい

ここでは、直営で複数広告の管理・効果測定を行うことが難しい理由を、2つ解説します。

1.複数広告の管理はここが難しい

複数の広告を出すことは、より多くの見込み客の目に付くため集客には有利です。ただ、その分コストや管理の手間がよりかかります。広告を配信する媒体には、WEBサイトだけでなくSNSもあります。また、SNSにも様々な種類があります。それらの媒体1つ1つに直営で広告の配信を依頼することは、大きな手間がかかります。また、広告の配信において十分に効果を得るには、効果測定を的確に行う必要があります。それには、適切な管理が前提であることも、複数広告の管理が難しい理由の1つです。

2.複数広告の効果測定はここが難しい

複数広告の効果測定の難しさは、媒体によって計測指標が異なることです。これにより、媒体ごとにその効果を比較して検証することが困難になります。このことは、どの広告がより効果を発揮しているか、もしくは複数の広告が相乗効果を発揮しているのか、検証することが困難であることを意味します。また、効果があまり上がっていない媒体への出稿を取りやめたいと考えることもあるでしょう。しかし、これも媒体ごとにその効果を比較して検証できなければ、根拠を持って実施できません。

クリックだけで広告の効果測定を行うことには限界があった

3PASが登場する前は、広告へのクリックの有無で効果測定を行うことが一般的でした。しかし、これには以下の点で問題があります。例えば、以下のプロセスを経てコンバージョンしたユーザーがいたとします。

(1)ディスプレイ広告を目にしたが、クリックしなかった

(2)後にディスプレイ広告の商品を自分で検索

(3)リスティング広告で同じ広告を見つけて、クリックしてコンバージョン

(1)〜(3)のプロセスでは、ディスプレイ広告とリスティング広告両方がコンバージョンに寄与したと考えられます。しかし、クリックだけで広告の効果測定を行うと、最終的にクリックされたリスティング広告にのみ効果があったと判定されることが課題でした。また課題を改善すべく、ビュースルーされた広告のコンバージョンも評価できるようになりました。しかし、それによりディスプレイ広告とリスティング広告でコンバージョンが重複して発生したと判定される結果になりました。これも正しく広告の効果測定をできていません。

3PASの仕組みと特徴とは

3PASは、DSPと連携させて使用します。以下に、3PASを用いて広告配信を管理する仕組みを解説します。

  1. 媒体がSSPに広告をリクエスト
  2. SSPがDSPにビッドリクエスト
  3. 各DSP内でオークション
  4. DSPがSSPにビッドレスポンス
  5. 各DSPの勝者間でオークション
  6. SSPが媒体に勝者DSPを伝える
  7. 媒体が勝者DSPに広告をリクエスト
  8. 勝者DSPが3PASに広告をリクエスト
  9. 3PASから媒体に広告を配信

また、3PASの特徴は配信から効果測定までを一括管理できることと、複数の媒体を横断して管理できることです。

3PASのメリットとは

ここでは、3PASのメリットを3つ解説します。

1.一括効果測定が可能に

従来は、複数の広告において効果測定を行うことは手間がかかりました。しかし、3PASを用いることで一括効果測定が可能になり、広告の効果測定の手間が削減されます。また、アトリビューション分析が可能になったこともメリットです。アトリビューション分析とは、マーケティング活動全体での効果測定のことです。これにより、直接コンバージョンされた広告だけでなく、間接的にコンバージョンに繋がった広告の評価も可能になります。そのため、コンバージョンにかかるコストをより正確に見積もり、価値のある広告に対してより予算を配分できるようになります。

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2.リッチメディア配信が可能に

リッチメディアとは、動画広告やインタラクティブ広告など、高度な機能を有する広告のことです。情報量が多く、企業のブランディングに大いに活用できるとされています。これまでのDSPではリッチメディアを配信できませんでした。しかし、3PASではリッチメディアを配信できるため、広告でブランディングを行いたい会社にとってはありがたいと言えるでしょう。また、レスポンス型の広告と併用すれば、より大きな効果を発揮するでしょう。

【関連記事】DSPとは?仕組みや導入時のメリット・デメリットをまとめて解説!

3.シーケンス配信が可能に

シーケンス配信とは、ターゲット1人1人のフリークエンシー※をコントロールしながら広告を配信することです。これにより、広告表示回数を元に最適な広告配信を実施できます。例えば、広告Aを2回以上閲覧したユーザーは、広告Bへの認知率が○%高まるとします。その場合、広告Aを2回以上閲覧したユーザーに対して広告Bを配信するよう設定もできるのです。

【関連記事】リーチとフリークエンシーの違いとは?フリークエンシーの設定方法も解説

3PASのデメリットとは

ここでは、3PASのデメリットを2つ解説します。

 

1.作業が煩雑になりやすい

3PASでは、大量の情報を取り扱います。そのため、単一の広告のみ取り扱う場合と比較して、配信・分析の手間がかかって作業が煩雑になります。また、業務工数も増加するでしょう。3PASを導入する際には、ツールを単純に導入するのではなく、マネジメントルールや運用体制を含めて、十分に検討しましょう。

 

2.KPI設定が不十分だと効果が落ちる

3PASを導入する際に、KPI設定が不十分だと効果が落ちることもデメリットです。これは、3PASでは複数の広告を一括して管理する分、取り扱う情報も膨大になるからです。そのため、KPIの設定を十分に行わないと以下の理由で3PASの効果を評価できず、その効果が落ちます。

・情報が多過ぎて、どの情報から評価を下せばいいかわからない

・主観的な判断が入り、効果測定にブレが生じる

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まとめ

本記事では、3PASの意味や仕組み、メリットなどを解説しました。3PASは、複数の広告を一括管理できます。昨今はWEBサイトやSNSなど様々な媒体が登場しており、複数の媒体で効果的に広告を出すと、大きな成果を期待できます。しかし、その分手間がかかります。また、効果測定も難しくなるものです。3PASを使って、より広告の成果をあげましょう。

なお、3PASを導入してもネット広告が思ったより成果を上げていない場合、アドフラウドが影響を与えているかもしれません。アドフラウドの被害に遭うと広告の効果が見込めません。少しでも怪しいと感じたら、Spider AFの無料トライアル

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