記事

BtoBマーケティングにおけるKPIとは?SaaS企業が重視すべき目標と広告運用のノウハウ

BtoBマーケティングにおけるKPIとは?SaaS企業が重視すべき目標と広告運用のノウハウ
BtoBマーケティングにおけるKPIとは?SaaS企業が重視すべき目標と広告運用のノウハウ
目次

KPIはBtoC企業が採用することが多い、定量的な指標の一種です。BtoB企業では指標の建て方が曖昧になりやすく、ゴール設定に苦慮されている方も多いものです。

今回は、BtoBマーケティングで通用するKPIの考え方や、具体的な設定方法の事例について、ご紹介していきます。

KPIの定義

KPIはKey Performance Indicatorの略称で、現在進行中のプロジェクトの進捗状況を明確にするための指標です。日本語の場合、「重要業績評価指標」と呼ばれることもあります。

KPIを複数設定することで、そのプロジェクトが滞りなく進んでいるかどうか、どのようなところに改善の必要性があるのかを把握しやすくなります。

KGIとの違い

KPIと似た言葉として、KGI(Key Goal Indicator)と呼ばれる指標があります。こちらは最終的なプロジェクトのゴール地点を定量化した指標です。

KPIはいわばKGIを10合目とした、チェックポイントとしての指標です。計画的に目標を達成するため、細かなKPIの設定が求められます。

KPIを設定すべき2つの理由

多くの企業がKPIの設定を実施している理由としては、以下の2つの理由が挙げられます。

施策改善のサイクルを高速化するため

KPIの設定は、まず試作改善のサイクルを高速化できる利点が挙げられます。KPIは定量的な評価軸に基づいて設定する必要があるのですが、日々のプロジェクトの進捗状況を見える化することによって、課題を明確にできる効果が期待されます。

あらかじめ設定した指標のうち、どこに問題があるのかということを目に見えて明らかにすることが可能なので、すぐに改善ポイントを把握し、施策の実行へ移せます。

いわゆるPDCAサイクルを高速化できるのが、KPI設定のメリットです。

施策改善の質を高めるため

ただ改善のサイクルを高速化できるだけでなく、改善の質そのものを高められるのもKPI設定の強みです。

複数設定したKPIを参考にすると、どんな施策において数字が伸びていないのか、あるいは目標を達成できていないのか、ということを一目で確認できます。改善施策を確実に実行する上では、的確な課題設定が求められますが、正しくKPIを設定できていれば、改善の品質も向上が期待できます。

購入者の立場が異なるBtoB(SaaS)企業とBtoC企業

KPI設定を考える際、注意しておきたいのが自社がBtoB(SaaS)企業なのか、BtoC企業なのかという点です。

両者で大きく異なる点としては、購入者の立場が挙げられます。SaaS企業の場合、購入の意思決定者はそのサービスを発見した人ではなく、企業経営者や決裁者です。また、その意思決定には複数人の関係者で協議が行われることも珍しくなく、成約までの期間は比較的長くなることが多いものです。

一方でBtoC企業の場合、購入の意思決定者は消費者個人です。サービスや商品を発見した本人が購買するかどうかを決めるので、そのプロセスは非常にシンプルです。

KPI設定を考える場合、このように購買までのプロセスの違いを念頭に置く必要があります。特にSaaS企業は成約までの期間が長く、見込み客のフェーズを細分化し、それぞれの状況に応じたKPIを設定して、適切な送客へ繋げることが必要です。

成約につながるKPI設定の3つのポイント

KPIを活用して成約へつなげるためには、以下の3つのポイントを前提とした指標の設定が求められます。順に見ていきましょう。

1.事業の成長性に注目する

1つ目のポイントは、事業の成長性です。SaaS事業がどれほど成長しており、今後も成長が見込めるかどうかを表す数値をKPIとして設定しましょう。

事業の成長性に注目することで、月々の売り上げを把握したり、年間での収益、あるいは来年・再来年の事業収益がどれくらいになるのかを正確に予測し、効果的な改善を実現したりする手助けとなります。

2.事業の効率性に注目する

2つ目のポイントは、事業の効率性です。支出に対して、どれくらいの利益率を確保できているかを具体的に数値化し、観察することが大切です。

顧客はコストゼロで獲得できているわけではなく、ウェビナーの開催やホワイトペーパーの配布、あるいは広告出稿などを通じて接点を獲得し、成約へと結びつけています。

これらの顧客獲得に向けた取り組みが、どれくらい効率的に機能しているのか、あるいはどのマーケティング施策が最も顧客獲得に繋がっているのかを定量的に評価し、無駄の少ない事業展開を実現しましょう。

3.事業の継続性に注目する

3つ目のポイントは、事業の継続性です。長期的にSaaSビジネスを展開しても、現在と同じ規模か、それ以上のスケールで継続できるかどうかを測定する指標の設定が求められます。

例えば顧客の解約率の増減をモニタリングすることで、現状の施策がうまくいっているかどうかを簡単に把握することができます。解約率が大きくなればなるほど収益の確保は難しくなるため、早急に新しい打ち手を実行しなければなりません。

あるいは解約やプランのダウングレードによって、どれくらいの損失が生まれているかなども、事業の長期的な継続性を確認する上では重要な数値となります。

SaaS企業で重宝される5つのKPI指標

どのようなKPI指標を参考するかについては、各企業で対応は異なります。最後にSaaS企業で重宝されている、重要性の高い5つのKPI指標について、ご紹介します。

MRR(Monthly Recurring Revenue)

MRRは、月間経常収益と呼ばれるKPIの一種です。毎月確定して得られる収益がどれくらいの割合で存在するのかは、MRRを参照することで確認ができます。

サブスクリプションモデルを採用するSaaSビジネスにおいては、MRRの伸び率を確認することがその事業の成長性を図る上で最も重要です。

LTV(Life Time Value)

LTVは顧客生涯価値と呼ばれる指標で、一人の顧客が企業と取引を開始してから、取引を終了するまで、どれくらいの利益をもたらしてくれるのか、ということを表します。

LTVが高いほど、顧客がその企業のサービスを長く利用してくれているということになり、良好な関係を維持できているということになります。サブスクリプションサービスを展開する上では、LTVの指標に注視する必要があります。

ASP(Average Sales Price)

ASPは、新規顧客1人に対して、どれくらいの平均収益が発生しているのかを表す指標です。顧客1人に対して、どれくらいの収益性を確保できているのかを一目で把握できるKPIです。

収益の品質を見分けられるASPもまた、企業の成長力を計測する上で重要です。

CVR(Conversion Rate)

CVRは、見込み客がどれくらい有料顧客へとシフトしていったのかを計測するKPI指標です。コンバージョン率とも呼ばれるCVRを参考にすることで、顧客獲得の施策がどれくらい効率よく機能しているのか、判断できるようになります。

【関連記事】CVRとは?ネット広告において最重要指標について理解する

CRR(Customer Retention Rate)

CRRは顧客維持率とも呼ばれ、顧客を一定期間内でどれくらい維持できているかを表した指標です。顧客維持率を高い水準で維持できれば、事業の継続性を高めることができているということになり、その逆であれば継続性に問題があると判断できます。

まとめ

KPIは主にBtoC企業で採用されることの多い指標ですが、購買までの期間が長いSaaS企業にとってもその重要性は変わりません。

成約に至るまでのプロセスの中でKPIを細かく設定すれば、効果的な改善施策を投下できるとともに、改善のスピードを高め、企業の成長力を迅速に向上できます。自社で計測すべきKPIを検討の上、プロジェクトへ積極的に採用することをおすすめします。

◆より質の高いリードを獲得するには?

企業にとってリード獲得とリードナーチャリングは顧客を作り出すためには、とても重要なマーケティング活動の一つです。

より具体的な施策ついて勉強したい場合は、こちらのE-Bookを活用してください

【BtoBマーケター向け】確度の高いリード獲得方法を伝授!(https://get.spideraf.com/SAF_e-book_ICP01_leadquality)

◆広告効果が出ないのはアドフラウド(広告詐欺)が原因かも

広告運用は様々な効果検証が必要となってきます。ただ、どんなに見直しを行っても効果が出ないことがあります。

もしかしたら、それはアドフラウド(広告詐欺)が原因かもしれません。

アドフラウドとは広告主から不正に広告費を搾取されており、その企業の広告費の流入先が実は反社会勢力に流れている可能性も。

実際にアドフラウドどのような手口かは以下の記事をご覧ください

【関連記事】ネット広告詐欺はどのような手口で行われる?アドフラウドの手法9つ

▶︎▶︎アドフラウド(広告詐欺・広告不正)って何?◀︎◀︎

そもそもアドフラウドって何?企業にとってどんな影響があるの?と疑問にお持ちですか?

そのような方に向けたウェビナーを開催しました。

サクッとアドフラウドについて知りたい方は以下オンラインコンテンツをご覧ください。

【推定年間被害額1000億円超え】 広告効果を劇的に悪化させるアドフラウドとは?

▶︎▶︎2021下半期年調査レポートを公開しました◀︎◀︎

Spider Labsの最新アドフラウド調査レポートを公開しました。

今回のSpider AFでの調査では2021年7月から12月までの半年間で解析したウェブ広告の6億9,600万クリックのうち、約4.4%にあたる3,062万クリックがアドフラウドであることが判明。これはおよそ15億3,120万円(1クリックあたり50円で計算)規模のアドフラウド被害があったと推測しております。

他にも新たに検出されたアドフラウド被害事例や、詳細数値が無料でご覧いただけます。

ぜひ以下リンクよりご覧ください。

>>ダウンロードはこちら<<

SpiderAF
アドフラウド
Spider Labs