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CPAを改善する5つの方法!計算方法、関連する4つの指標も解説
CPAは企業の広告の運用において、重要な指標や目標として設定されることが多いです。
しかしながら、改善方法や取り組み方についてどのように進めるべきか分からない方も多いかもしれません。
CPAを改善すると、効果的な広告運用や広告効果の向上ができ、結果として広告費の削減や収益の増加を期待できる可能性があります。CPAを改善するためには、いくつかのテクニックを知っておくのが重要です。
今回の記事では、CPAの概要や計算方法・改善方法・関連指標について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもCPAとは?
まずはWEB広告やマーケティングでよく使われる顧客獲得単価(CPA)に関して確認をしましょう。
CPAは「Cost Per Action」の略で「顧客獲得単価」と訳され、1件のコンバージョンや顧客を獲得するためにかかる費用の数値です。
コンバージョン地点を「販売」「会員登録」「資料請求」「問い合わせ」などと設定することが多く、それぞれ広告出稿した時の目標や目的によって変わります。
企業がCPAを設定する際には目標や目的を明確にし、達成に向けて常に実施と改善を行いましょう。
CPAの計算方法
CPAの計算方法は以下の通りです。
・CPA = 広告費 ÷ コンバージョン数
広告費を20万円使用して新規会員を200件獲得した場合は下記のようになります。
・CPA = 20万円 ÷ 200件 = 1,000円 1件の会員登録を獲得するための単価が1,000円ということを表します。
ちなみに、リスティング広告並びにディスプレイ広告の全業種の平均CPAは以下の通りです。
・リスティング広告 平均:6,413円
・ディスプレイ広告 平均:9,891円
参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
※1ドル = ¥131で計算
業種によって平均CPAが異なるため、WEB広告全体の平均CPAを指標とすることは必ずしも適切ではないと認識した上で、CPAの改善に取り組みましょう。
CPAの重要性
CPAはキャンペーンの収益を可視化する重要指標であり、CPAを見直すことで、運用した広告の費用対効果を計測することができます。
具体的にはCPAを下げることで広告費も削減され、利益が増加する傾向になります。逆にCPAが高騰すると広告費も増加し、利益が圧迫されてしまうので見直しが必要です。
CPAを細かく分析することで広告の費用対効果を出す方法も把握でき、かつ算出された指標をKPI(重要業績評価指標)と設定する企業も多いです。そのため、運用担当者はCPAの指標に基づいて、広告施策を実施することを心がけましょう。
CPAを改善する5つの方法
ここまでに、CPAの重要性を理解できましたら改善をしていきましょう。
以下5つの方法を用いて見直しと修正を施すことで、指標は改善される可能性が高いです。
1. 広告の品質スコアを見直す
CPAを下げるために品質スコアの改善を行うことで、CPAの改善だけではなく、広告順位やコンバージョン数、CPCなど各指標に大きく作用します。
品質スコアは推定クリック率・広告文・キーワード・LPなどに左右され、ユーザーに最適な広告と判断されると、結果として広告が上位掲載されたりCPCを抑えたりすることができます。
以下のポイントを中心に品質スコアを見直しましょう
・クリック率(CTR)を上げる
・遷移先のコンテンツを充実させる
・キーワードと広告文の関連性を高める
・広告グループを適切なカテゴリーに設定する
【関連記事】Google広告スコアの仕組み&品質スコアの改善施策11つ
2. キーワードを見直す
キーワードを見直すことで、パフォーマンスの低下を防ぎ、コストを最適化することができます。
以下の内容を見直すのがおすすめです。
・ターゲットキーワード
・広告文
・ランディングページ
・定期的なキャンペーン
特にターゲットキーワードに関しては、ユーザーが検索する可能性のあるフレーズを含めましょう。適切なキーワードを使用することで、より関連性の高い広告を適切なユーザーに表示させることができます。
コンバージョンしにくいキーワードを出稿することは、全体のCVRに影響を与えてしまうため、結果に繋がらない広告を思い切って停止しコストを抑えましょう。
3. クリエイティブを見直す
せっかく作った広告のクリエイティブも適切なユーザーに届かなければ意味がありません。
「広告文」「キーワード」「ビジュアル」など修正と最適化を実施することでCPA改善に繋がります。
クリエイティブは以下の内容で見直すと良いでしょう。
・WEBページのメインビジュアルと広告クリエイティブのビジュアルを一致させる
・広告文に具体的な数字を含める
・見出し文と広告文両方にキーワードを含める
また、制作したクリエイティブはABテストを実施することで、よりターゲットの精度が高まり、自社にとっての最適な運用方法が見つかります。
4. マイクロコンバージョンを設定する
コンバージョンが成果地点であるとしたら、マイクロコンバージョンは成果地点の手前にある箇所、「中間コンバージョン」を指すことが多いです。
例えば、コンバージョン地点を「資料請求」とした場合、マイクロコンバージョンは以下のものが挙げられます。
・資料請求ページへの到達
・ページの滞在時間
・ページのスクロール率
・特定ボタンをクリックする
マイクロコンバージョンはコンバージョンを目的とした「広告の良し悪しを判断するための指標」と「自動学習を最適化する指標」として設定することが多いです。
前者はユーザーの検討期間が長い商材の傾向を掴んで分析し、広告の効果を判断するために使用されます。後者は自動入札学習の最適化対象に含めるリスティング広告の、マイクロコンバージョン獲得に向けた最適化配信を目指します。
5. LPを修正する
LPは広告をクリックしたユーザーが最初に遷移するページです。遷移先であるため、LP制作に力を入れることは大切ですが、制作して終わりではありません。運用の改善を続けることでCPAの改善にも直結しますので、積極的に見直しをしましょう。
具体的な方法は以下の通りです。
・レスポンシブデザインの最適化
・読み込み速度の改善
・ABテストの実施によるLPデザインの確認
・CTAの見直し
特にLPも広告クリエイティブ同様ABテストや動線の確認と改善を実施することで、ターゲット像がより明確になります。
CPAを改善するために理解しておくべき4つの指標
CPAを改善する方法に関してよく把握するためには、以下4つの指標も合わせて理解しておきましょう。
1. クリック数(Click)
クリック数(Click)は「ユーザーが広告をクリックした回数」を指します。
リスティング広告やディスプレイ広告など、表示されている広告に興味を持ったユーザーが、商品やサービスの情報を得るためクリックをします。
クリック数を増やすためには、広告文やクリエイティブの改善をしなければなりません。これらの改善を行うことで、ユーザーの目に止まる機会も増えるため、クリック数を稼げるような広告文やキーワードに設定することを意識しましょう。
2. クリック単価(CPC)
クリック単価(CPC)はCost Per Clickの略で、「広告を1クリックされるごとにかかる費用」を指し、以下の式によって求められます。
クリック単価(CPC)= 広告費 ÷ 獲得したクリック数
CPCが安ければ安いほど出稿する広告費は抑えられますが、ただ無闇にCPCを安くするだけでは広告効果が上がらないものです。
CPCは入札性であり、例えばあるメディアに広告を出したい場合、同じ広告枠に掲載されるのは「一番CPCが高い人」となるため、上位掲載を目指すのであれば、戦略を充分に練る必要が出てきます。
3. コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率(CVR)とは「WEBサイト訪問者のうち、問い合わせや購入などコンバージョンに至った件数の割合」を指し、以下の式によって求められます。
コンバージョン率(CVR) = コンバージョン数(CV) ÷ アクセス数 × 100%
広告で集客した際、遷移先のページにおいて、どれだけの割合でコンバージョンに至ったのかを把握するための重要な指標となります。
CVRは企業やビジネスモデルによって大幅に異なるので、運用者は頭を悩ませるかもしれません。設定する方法は「自社の目標値」や「市場調査データ」などを参考にしましょう。
4. インプレッション数(Impression)
広告・記事コンテンツ・SNSなどに表示された回数をインプレッション(Impression)といい、広告指標を改善する時に見直す重要な数値の一つです。
効果的にインプレッション数を増やすためには以下の方法を実践しましょう。
・広告予算の増加
・キーワードのマッチタイプを変更
・広告の品質を上げる
WEBマーケティングにおいてインプレッション数を増やすことは、ユーザーへの露出を増やし、商品やサービスを広く認知させるための必要な施策といえます。
広告を見直す際、最初に着目する箇所として、認識しておきましょう。
まとめ
本記事では、CPAの概要や計算方法・改善方法・関連指標について解説しました。CPAは広告キャンペーンの収益を測るための重要な指標であり、企業によってはマーケティング施策のKPI(重要業績指標)として設けていることもあります。本記事を参考にしてCPAの改善に取り組み、数値改善に努めましょう。
また、改善を行う際には、デジタル広告で発生しているアドフラウド(広告不正)にも注意が必要です。アドフラウドはBotなどによってインプレッションや不正クリックを引き起こし、広告費を搾取してしまいます。
CPAはアドフラウド対策によって改善される可能性もあるので、自社の広告がアドフラウド被害にあっていないかまずは確認してみましょう。