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アドフラウドが発生する仕組み!広告詐欺が発生する原因と対策
アドフラウド(広告詐欺)の被害は日を追うごとに増え続けており、いまではWeb広告業界を悩ます重要な問題となっています。しかし、各企業がアドフラウド対策を講じているにもかかわらず、不正業者やハッカーは巧妙な手口で仕掛けてくるため、イタチごっこの状態から抜け出せないのが現状です。
そこで今回は対策の一環として、アドフラウドの仕組みについて詳しく解説します。アドフラウドの仕組みを理解すれば、抑制することも可能です。ぜひ最後までお読みください。
アドフラウドの仕組み
アドフラウドは主に次のような仕組みで発生します。
1ボット作成。ボットセンターから操作ができる環境を構築する2一般ユーザーがフリーアプリをインストールした際にボットもインストールさせる3ボットセンターからボットを操作し、質のよいサイトへアクセスさせクッキーを取得4詐欺用に新たなサイトを作り、トラフィックエクスチェンジなどでアクセスを集め、サイトの信用性を高める54のサイトは一見すると質のよいサイトのため、広告が出稿される64のサイトでリロード・トラフィックエクスチェンジ・ファームなどを使い広告の表示回数やクリック率、インストール数などを水増しする7アドフラウドに気付いていない広告主から、広告の成果として広告費が支払われる
上記がアドフラウドの仕組みの一つです。
悪意のない一般ユーザーであっても、ボットが感染して意図せず詐欺に加担しているケースもあります。
不正業者やハッカーが金銭を得る方法
不正業者やハッカーが不正に金銭を得る方法は主に3つあります。
- 詐欺用のサイトを作り、広告表示回数やクリック率、インストール数などを水増しして広告主から広告費を騙し取る(「アドフラウドの仕組み」と同様の手口)
- サイト運営者から、サイトの規模や信頼性を増す偽装の依頼を受け、不正にアクセスを増やすなどして報酬を得る
- アフィリエイトサイトやポイントサイトなどで、アクセス数やクリック数を偽装し、報酬を騙し取る
不正業者やハッカーは巧妙に詐欺行為を仕掛けてきます。Web広告のアドフラウド対策は必須といっていいでしょう。
アドフラウドの問題点
アドフラウドの最大の問題点は、広告費が無駄になることです。
アドフラウドの被害に遭うと成果の上がる見込みのない広告費を払い続けることになります。CPA(顧客獲得単価)の計測も正確に行えなくなるため、KPIも意味をなさなくなることが大きな問題です。
もう一点、広告主が気づかない間に、反社会勢力へ広告費が流れてしまうという問題もあります。不正業者やハッカーは反社会勢力と関わり合いを持つものが多く、アドフラウドで得た資金を活動資金として提供しています。
広告主が意図していないとはいえ、間接的に反社社会勢力へ資金提供している形となり、ブランド毀損にも繋がる恐れがあるため注意が必要です。
アドフラウドが発生しやすくなる原因
アドフラウドを防ぐのは困難です。しかし発生しやすい原因を理解することで、ある程度は抑制できます。
ここではアドフラウドが発生しやすいサイクルと、発生を抑制するサイクルについて解説します。
アドフラウドが発生しやすいサイクル
アドフラウドが発生しやすい問題で、特に気をつけたいのが質より量に注力しているケースです。
インプレション重視で安価なクリック率を稼ぐことが目的になると、質の低いメディアの割合が増える傾向にあります。
そういったメディアの多くは、アドフラウドが頻繁に発生しているため、不正なインプレッションやクリック率が大量に生じることが推測されます。
このような質より量を重視するメディアプランは、キャンペーンとしては成功とされるため、次のキャンペーンも量の評価をする質の悪いプランを回し続ける可能性が高いです。
アドフラウドの発生を抑制するサイクル
アドフラウドの発生を抑制するには、量より質を重視するKPIの設定がポイントです。質のよいメディアに絞って広告を出せばアドフラウドの出現率は低くなります。
その結果、正当なインプレッションやコンバージョン等が向上し、量より質で正しく評価される健全なサイクルが回り始めるでしょう。
アドフラウド対策
アドフラウドを抑制できたとしても、アドフラウド対策は必要です。ここでは対策ツールを使わない方法と、使った場合のメリットについて解説します。
アドフラウド対策ツールを使わない5つの方法
アドフラウド対策ツールを使わなくても、アドフラウド対策を講じることはできます。
対策方法は次の5つ。
対策方法説明アドフラウド対策済みのDSP事業者を利用DSPを利用する場合は、アドフラウド対策を積極的に行っている事業者を選ぶと、被害を受けるリスクが下がります。ユーザー挙動のモニタリング広告にアクセス解析用のタグを設定して、ユーザーの挙動をリアルタイムにモニタリングするのも効果があります。広告配信後の実績データを分析クリック率が低すぎる、もしくは高すぎるなど、実績データを分析することでアドフラウドを特定できます。PMPの活用PMP(プライべート・マーケット・プレイス)とは、掲載媒体と広告主を限定した広告出稿の仕組みです。PMPを活用すれば、アドフラウドのリスクが下がりますが、DSPと比較すると費用が高い傾向にあります。ホワイトリストの作成安全性が確認された優良サイトを集めたものがホワイトリストです。自社でホワイトリストを作成すれば、強固な防衛体制が実現できます。
アドフラウド対策ツールを導入しなくても、これらの対策方法を行えば、アドフラウドの被害を抑えることが可能です。
しかし、自社で取り組むには、専門知識を身につけた人材が必要になるため、人的コストは上がるというデメリットがあります。
関連記事:アドフラウド対策ツールを使わずにフラウド対策を行う5つの方法を紹介!
アドフラウド対策ツールを活用する6つのメリット
アドフラウド対策ツールを導入することで次のようなメリットが得られます。
メリット説明広告費の最適化特定のネットワークに接続しようとする悪質なボットの数をプロテクトし、広告費を最適化します。工数の短縮目視でのチェックが困難な不正パターンの分析を行い、悪質なボットの動きを検知、ブロックします。ツールが不正行為を阻止するため、無駄な工数が削減できます。効果的なアドフラウド検知アドフラウド対策ツールはデータサイエンスを用いて、さまざまな要因から学習を行い、広告不正の可能性がある行為を特定します。不正検知を行う回数が多いほど不正検出の精度が高まるため、各企業が取り組むことでWeb市場全体の健全化に繋がります。ROASの最大化広告のプレースメント、配信、エンゲージメントを適切に精査し、より安全な環境で広告を配信することでROAS(費用対効果)を高めます。データ収集の改善優れたアドフラウド対策ツールは、疑わしいトラフィックを識別し、不正の疑いのある動きと、その動きに対して行われた対策などを詳細なレポートで表示できます。
レポートを見ることで、キャンペーンの成功と失敗が簡単に確認できるため、次回キャンペーンまでに改善策を講じることが可能になります。ブランドイメージの保護自社のブランドイメージを維持するには、自社に関連することに加えて、信頼できるWebサイトのみに広告が表示されるように運用する必要があります。
アドフラウド対策ツールを使用すれば、不適切なWebサイトからのトラフィックを追跡し、ブロックすることが可能です。
まとめ
アドフラウドの被害を抑制するには、発生しにくい環境を構築することが大切です。そのためには、アドフラウドの仕組みを把握し、発生しにくいメディアプランを組む必要があります。
量より質を重視するKPIを設定することで、正当なコンバージョン等の向上を目指し、健全なキャンペーンが運用できるでしょう。
さらに、アドフラウド対策を行えば、被害を抑えることが可能です。手間や人件費をかけたくない場合は、アドフラウド対策ツールの導入を検討してみましょう。
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