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広告でよく耳にする「タグ発火」について運用者が知っておくべき意味と仕組みとは?
タグ発火の仕組みを解説する前に基礎知識を解説
ここでは、基礎知識としてタグ発火の意味を解説します。併せて、コンバージョンタグとリターゲティングタグの意味も解説します。
タグ発火の意味
タグとは、WEBページのHTMLに設置するコードのことです。
このコードを埋め込んだWEB広告をユーザーが商品の購入や問合せなど「トリガー」となる行動を起こすと、設定したコンバージョンタグやリターゲティングタグが起動します。
このことを広告運用では「発火する」という言葉を用いるので「タグ発火」と言われています。
コンバージョンタグの意味
コンバージョンタグはコンバージョンに必要なタグです。コンバージョンとは、WEBマーケティング用語で「目標や目標となるアクションの達成」を意味します。具体的には、資料請求や商品購入などが該当します。
リターゲティングタグの意味
リターゲティングタグはリターゲティングに必要なタグです。リターゲティングとは、そのサイトに訪問したことがあるユーザーに対して、再度広告を配信することです。一般的にリターゲティングを行うことで、広告効果の高さを示す指標が高まる傾向があるとされています。
リターゲティング(リマーケティング)広告のタグ設置に関しては以下記事をご覧ください
【関連記事】Google広告のリマーケティングとは?活用すべき3つの理由を解説!
タグ発火が発生する仕組みとタグ設置方法
ここでは、コンバージョンタグとリターゲティングタグにおいて、タグ発火が発生する仕組みを解説します。併せて、タグ設置方法も解説します。
コンバージョンタグにおいてタグ発火が発生する仕組み
コンバージョンタグは、コンバージョンが完了したことを示すページ(サンクスページ)に設置します。
これにより、誰が広告からサンクスページに移動したかわかるため、サイト経由でコンバージョンを得られた際にそれがカウントされます。
リターゲティングタグにおいてタグ発火が発生する仕組み
リターゲティングタグにおいて、訪問履歴のあるユーザーがコンバージョンするとタグ発火が発生します。その仕組みは以下のとおりです。
- Cookieにより、WEBサイトがそこに訪問したユーザーの情報を保存
- Cookieで収集したユーザーの情報をリスト化
- リスト化した情報を元に、訪問履歴のあるユーザーに広告を配信
タグ設置方法
ここでは、タグ設置方法を解説します。なお、両方ともGoogle広告とYahoo!広告いずれにおいても使える設置方法です。また、大筋の方法も同じです。
【関連記事】Google広告とYahoo!広告の違いは?2大広告の使い分け方法を解説
直接WebページのHTMLに埋め込み
アカウントでタグを発行したら、HTMLにおいてそのタグを設置します。Google広告では、「グローバルサイトタグ」と「イベントスニペット」の両方を設置します。
- グローバルサイトタグ:効果を計りたいページ全てに設置
- イベントスニペット:サンクスページにのみ設置、<body>と</body>の間に設置
Yahoo!広告では、Google広告のイベントスニペットと同様、発行したタグはサンクスページにのみ設置します。
タグマネージャーより設置
タグマネージャーを使うことで、HTMLを編集しなくてもタグを設置できます。グローバルサイトタグとイベントスニペットを発行したら、タグマネージャーにタグを設定します。その後、トリガーを設定してワンタグを埋め込めば完了です。
タグ発火の仕組みを正確に効果測定できないケース
計測タグを正しく設置しないと、正確にタグ発火が発生しません。そのため、正確な計測結果も得られません。ここでは、タグ発火の仕組みを正確に起動させるポイントを解説します。
確実にタグを設置
以下の場合、正確に効果測定できません。
- そもそもタグが設置されていない
- タグマネージャーで設定しているルートにおいて、対象ページの中にタグを設置していないページがある
計測タグ実行前にページを遷移
通常、ページの要素はソースの上から順番に読み込まれます。そのため、タグの位置によっては、タグが読み込まれる前に別ページに遷移されることがあります。
この場合、正確にタグ発火は発生しません。タグ設置位置を上にすることが対策方法の1つです。
コンバージョンパラメータに齟齬
コンバージョンとして想定しているページにおけるタグのコンバージョンパラメータと、ウェブアンテナにおけるコンバージョンパラメータを比較しましょう。両者に齟齬が発生していると、コンバージョン数にズレが発生します。
計測タグの重複実行
作業ミスなどで計測タグが重複設置されると、計測タグの重複実行が発生します。また、ユーザーがリロードしたり、そのページに「戻る」ボタンで戻ってきた場合も、計測タグの重複実行が発生する可能性があります。
タグマネージャー設定ミス
主なタグマネージャーの設定ミスは以下の通りです。
1.タグマネージャー本体にタグ設置されていない
タグマネージャーの管理画面だけでなく、配信先の各ページにもタグマネージャー本体のタグ設置する必要があります。
2.タグ配信先のURLを正しく記載していない
タグマネージャーでは、タグ配信先のURLを一括設定可能です。
3.タグが無効になっている
タグ登録直後に、タグが「無効」になっていないか確認が必要です。
コンバージョンタグにおいてタグ発火の仕組みをより多く起動させる4つのポイント
ここでは、広告のコンバージョン率を高めて、タグ発火をより多く起動させる4つのポイントを解説します。
1.集客チャネルの現状把握
集客チャネル別に、アクセス解析ツールで現状把握を行いましょう。
これにより、ユーザーが主にどのチャネルから訪問しているか分析できます。
複数の集客チャネルを用意しているものの、特定のチャネルからの流入が極端に少ない場合は、その集客チャネルの使用をやめることも検討しましょう。
2.キーワード選定
適切にキーワードを選定することで、コンバージョンを獲得できる可能性が高まります。
コンバージョンを獲得した実績のあるキーワードや、競合のキーワードを研究しましょう。
キーワード選定の際には、検索キーワードの想定と、獲得したいキーワードとのズレを抑えることが大切です。
【関連記事】SEO(SEM)対策に使うべき11つのキーワード選定ツール
3.優先順位が高い施策のみ実施
社内のリソースは有限で、多数の施策を一度に行うとどれも中途半端になって失敗することも考えられます。
そのため、優先順位の高い施策のみ実施して、その施策にリソースを集中させた方が成功率は高まるでしょう。
特に、規模が小さくあまりコストがかけられない会社では重要な考え方です。
4.PDCAサイクル
コンバージョンを増やす施策は数多く存在します。ただ、それらの施策を講じただけでコンバージョンが増えるわけではありません。
コンバージョンを増やすには、実施した施策をこまめに効果測定し、PDCAサイクルを回して改善策を講じていきましょう。
リターゲティングタグにおいてタグ発火の仕組みをより多く起動させる4つのポイント
ここでは、リターゲティング広告のパフォーマンスを向上させて、タグ発火をより多く起動させるポイントを解説します。
1.ページ滞在時間によりターゲット選定
ページ滞在時間が長いユーザーの方が、コンテンツに興味がある可能性が高いでしょう。
そのため、ページ滞在時間の基準を設けておき、基準以上のページ滞在時間のユーザーのみリターゲティング広告の対象にすることで、その成功率を向上できます。
2.広告配信メリットのないエリアや時間帯を除外
旅行産業や店舗型ビジネスにおいては、広告配信しても効果がほとんど期待できないエリアや時間帯が存在する場合があります。
その場合、特定の条件下で対象のページのリターゲティングタグを発火させないよう設定しておくことで、無駄な広告配信を制限できます。
また、広告にフリークエンシーキャップ機能を使える場合は、同じユーザーに対して広告を表示する回数の制限が可能です。
3.検討期間外のユーザーを除外
ユーザーの検討期間が長いほど、リターゲティングが成功する可能性は低下していく傾向があります。
そのため、Cookieの保有期間を設定しておき、一定以上の検討期間を過ぎたユーザーはリターゲティングの対象から除外することで、成功率が高まるでしょう。
4.興味関心の高いユーザーのみリターゲティング
特に、ビッグワードで検索した結果アクセスしたサイトでは、検索意図が広い傾向があります。
その場合、リターゲティングの成功率はあまり高くならないでしょう。
そのため、検索意図が広いビッグワードから流入しているユーザーをリターゲティングの対象にしなければ、成功率が高まります。
また、リスティング広告からの流入ではなく、自然検索からの流入のみを対象にすることも有効です。
【関連記事】Googleが除外キーワード選定に影響するリスティング広告の仕様変更を発表
アドフラウド(広告不正)の検査も必要
タグ発火の各種設定や見直しを行なったとしても、思うような結果が出ないこともあります。
その時はアドフラウド(広告不正)を疑ってみるべきです。
なぜなら広告運用においてコンバージョンに至った結果と判別されている例が多く、実際は意味のないコンバージョンだった実例もあります。
Spider AFでは運用HPに“タグ”を埋め込むだけ、5分ほどで設置ができます。メディアもGoogle広告をはじめ、Yahoo!、各種SNSなど幅広く対応しており、特別な作業が発生することはなく簡単に設定が可能となります。
そして、実際に被害に遭っているか無料トライアルにて確認することができます。簡単な作業で完了となりますので、お気軽にお問合せください。
まとめ
本記事では、タグ発火が発生する仕組みとタグ設置方法などを解説した上で、設置したタグをより正確に起動させる方法なども解説しました。
広告運用者は仕組みや設置方法を理解し、自社の広告運用に活用しましょう。
合わせてアドフラウド対策を行い自社の広告費の不正搾取対策も行っておくべきです。
アドフラウドの被害に関して、Spider AFがまとめた2022年調査レポートも公開しておりますので、そちらもご覧ください。
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Spider Labsの最新アドフラウド調査レポートを公開しました。
今回のSpider AFでの調査では2023年の1年間で解析したウェブ広告の29億2,500万クリックのうち、約4.9%にあたる1億4,332万クリックがアドフラウドであることが判明。これはおよそ71億6,625万円(1クリックあたり50円で計算)規模のアドフラウド被害があったと推測しております。
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