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Webサイトセキュリティ診断とは?【2025年版】無料ツール9選と専門家が教える選び方・費用相場

Webサイトセキュリティ診断とは?【2025年版】無料ツール9選と専門家が教える選び方・費用相場

「自社サイトのセキュリティは大丈夫だろうか?」
「情報漏洩のニュースを見るたびに不安になるけど、何から手をつければいいのか分からない…」

Webサイトの担当者様なら、一度はこのような悩みを抱えたことがあるかもしれません。
サイバー攻撃の手口は日々巧妙化しており、対策の重要性は増すばかりです。

しかし、専門知識がないと、どこにリスクが潜んでいるのか、どのくらいの費用がかかるのか見当もつかず、第一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなお悩みを解決するため、Webサイトのセキュリティ診断について専門家が分かりやすく解説します。

本記事のまとめ
  • Webサイトのセキュリティ診断とは何か、その基本から丁寧に解説します。
  • まずは手軽に試せる無料の診断ツールを9つ厳選してご紹介します。
  • 有料サービスを検討する際の費用相場や、失敗しない選び方のポイントが分かります。

この記事を読み終える頃には、自社サイトの現状を把握し、次にとるべき具体的なアクションプランが明確になっているはずです。安心してサイト運営に取り組むための第一歩を、ここから一緒に踏み出しましょう。

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目次

そもそもWebサイトセキュリティ診断とは?なぜ必要なのか

Webサイトのセキュリティ診断は、専門家でなければ難しそうに聞こえるかもしれません。
しかし、その本質は非常にシンプルです。
一言でいえば、Webサイトに潜むセキュリティ上の弱点(脆弱性)を見つけ出すための「健康診断」と言えるでしょう。

サイバー攻撃による情報漏洩やサイト改ざんといった深刻な事態に陥る前に、リスクの芽を早期に発見し、対策を講じることが診断の主な目的です。
ここでは、なぜその「健康診断」が不可欠なのか、基本的な定義から解説します。

セキュリティ診断の定義:サイトに潜むリスクを見つける「健康診断」

Webサイトのセキュリティ診断とは、Webサイトを構成するプログラムやサーバーなどに、セキュリティ上の問題点(脆弱性)がないかを専門的な観点から調査・分析することです。
これは、私たちが定期的に受ける健康診断によく似ています。

自覚症状がなくても、体の中には病気の原因が潜んでいることがあるように、一見正常に動いているWebサイトにも、攻撃者につけ入る隙が存在する可能性があります

診断では、こうした脆弱性を攻撃者の視点で探し出し、どのようなリスクがあるのかを可視化します。
これにより、問題が表面化する前に、的確な予防策や治療(対策)を施すことが可能になるのです。

放置は危険!セキュリティリスクが引き起こす3つの被害

もし、Webサイトの脆弱性を放置してしまった場合、どのような事態が起こりうるのでしょうか。
代表的な被害として、以下の3つが挙げられます。

被害の種類 具体的な内容 企業への影響
1. 情報漏洩 顧客の個人情報(氏名、住所、カード情報など)や、企業の機密情報が外部に流出する。
  • 顧客や取引先からの信頼失墜
  • 損害賠償請求による金銭的損失
  • ブランドイメージの大幅な低下
2. Webサイトの改ざん サイトの内容が書き換えられたり、ウイルスを仕込まれたりして、意図しない情報を発信する。
  • 事業活動の一時停止
  • 復旧にかかる高額なコスト
  • 企業の公式サイトとしての信頼性喪失
3. 不正アクセスの踏み台化 自社のサーバーが乗っ取られ、他の企業を攻撃するための拠点(踏み台)として悪用される。
  • 加害者としての法的責任の追及
  • 自社とは無関係のトラブルへの関与
  • 企業倫理を問われる事態に発展

これらの被害は、企業の存続をも揺るがしかねない深刻なものです。
だからこそ、定期的なセキュリティ診断によって、リスクを未然に防ぐことが極めて重要になります。

「脆弱性診断」と「ペネトレーションテスト」の違いとは?

セキュリティ診断の話では、「ペネトレーションテスト(侵入テスト)」という言葉もよく聞かれます。
これらは混同されがちですが、目的と手法が異なります。

比較項目 脆弱性診断 ペネトレーションテスト(侵入テスト)
目的 システムに存在する脆弱性を網羅的に洗い出すこと 特定の脆弱性を利用して、実際にシステムへ侵入できるか、どこまで影響が及ぶかを検証すること
手法 ツールと手動検査を組み合わせ、既知の脆弱性パターンを幅広くチェックする 攻撃者の視点で、様々な攻撃シナリオを試行し、目的達成(情報窃取など)を目指す
例えるなら 健康診断
(全身をくまなく調べて問題点を探す)
体力測定・模擬試合
(特定の目的を持って、実戦形式で強度を試す)
適した場面 定期的なセキュリティチェック、システムリリース前の網羅的な検査 新規サービス開始前、重要なシステムに対する具体的な脅威への耐性確認

簡単に言えば、脆弱性診断は「弱点がいくつあるか」を調べるのに対し、ペネトレーションテストは「その弱点を使って、本当にゴールまでたどり着けるか」を試すテストです。
まずは脆弱性診断で全体像を把握し、必要に応じてペネトレーションテストを行うのが一般的な進め方です。

【種類別】Webサイトセキュリティ診断の主な手法

Webサイトのセキュリティ診断には、様々なアプローチがあります。
有料・無料のツールやサービスを選ぶ前に、どのような診断手法があるのか、その全体像を把握しておくことが重要です。

ここでは、診断を理解するための3つの切り口、「やり方」「場所」「サービスの形」に分けて、それぞれの特徴を解説します。
この分類を理解することで、自社の目的や予算に合った診断方法を選びやすくなります

診断のやり方:ツールによる「自動診断」と専門家による「手動診断」

診断の実施方法には、大きく分けて「自動診断」と「手動診断」の2つがあります。

診断方法 メリット デメリット
自動診断
  • 広範囲: 短時間で多くの項目を網羅的にチェックできる
  • 高速: 人が行うよりもスピーディーに結果が出る
  • 低コスト: ツールを利用するため、人件費を抑えられる
  • 複雑なロジックの脆弱性は見つけにくい
  • 誤って正常な箇所を脆弱性と判断することもある(誤検知)
  • レポートが専門的で解読が難しい場合がある
手動診断
  • 高精度: 専門家がサイトの仕様を理解した上で診断するため、自動では見つけられない脆弱性も発見できる
  • 柔軟性: ビジネスロジックの欠陥など、複雑な問題に対応可能
  • 具体的: 報告書が分かりやすく、具体的な対策案が示されることが多い
  • 高コスト: 専門家のスキルと工数が必要なため、費用が高額になる
  • 時間がかかる: 診断範囲によっては数週間を要することもある
  • 診断員のスキルに品質が左右される

多くの有料診断サービスでは、これら2つを組み合わせて診断の網羅性と正確性を高めています
無料ツールは、主に「自動診断」に分類されます。

診断する場所:「Webアプリケーション診断」と「プラットフォーム診断」

診断対象となる「場所」にも、2つの主要な領域があります。

診断対象 診断内容 家に例えるなら
Webアプリケーション診断 Webサイト独自のプログラム部分(入力フォーム、検索機能、ログイン機能、ECサイトの決済機能など)の脆弱性を調査する。SQLインジェクションクロスサイトスクリプティング(XSS)といった攻撃への耐性をチェックする。 ドアの鍵、窓の作り、部屋の間の扉など、人が直接触れて操作する部分の安全性を調べる。
プラットフォーム診断 Webサイトが動作している土台(サーバー、OS、ミドルウェア、ネットワーク機器など)の脆弱性を調査する。ソフトウェアのバージョンが古い、不要なポートが開いているなど、環境設定の不備をチェックする。 家の土台、柱、電気・水道の配管など、家全体を支える基盤部分の強度や安全性を調べる。

どちらか一方だけ対策しても、もう片方に弱点があれば意味がありません
Webサイトのセキュリティを確保するためには、アプリケーションとプラットフォームの両面から診断を行うことが理想的です。

【まずはお試し】無料で使えるWebサイトセキュリティ診断ツール9選

「まずは自社サイトの状況を手軽に把握したい」
「本格的な対策の前に、どんな問題があるか知りたい」

そうお考えの方のために、無料で利用できる信頼性の高いWebサイトセキュリティ診断ツールを9つ厳選しました。
専門家でなくても比較的簡単に使えるツールから、プロも利用する高機能なツールまで、目的別に紹介します。
まずはこれらのツールを使って、セキュリティ対策の第一歩を踏み出してみましょう

【IPAも推奨】Webアプリケーションの脆弱性診断ツール5選

Webサイトのプログラムに潜む、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった代表的な脆弱性をチェックできるツールです。
一部は専門的な知識を要しますが、多くのセキュリティ専門家が利用するデファクトスタンダードなツールも含まれています。

ツール名 特徴 こんなユーザーにおすすめ 公式サイト
Observatory by Mozilla Firefoxの開発元であるMozillaが提供。HTTPヘッダーやSSL設定などを分析し、A+からFまでの13段階で評価してくれます。改善点も提示されます。 自社サイトのサーバー設定の安全性をスコアで客観的に把握したいWeb担当者。 Observatory
Site Safety Center GMOグローバルサインが提供。SSLサーバー証明書の信頼性やマルウェアの感染状況などを無料でチェックできます。 サイトの信頼性や安全性を第三者の視点で確認したいWebディレクター、マーケター。 Site Safety Center
VirusTotal Google傘下のサービス。ファイルやURLをアップロードすると、70以上のウイルス対策ソフトやスキャンエンジンで安全性を評価してくれます。 サイトがマルウェアに感染していないか、不審なファイルがないかを手早く確認したい方。 VirusTotal
ImmuniWeb URLを入力すると、Webサイトのセキュリティ、プライバシー、コンプライアンス(GDPRなど)の観点から評価し、スコアを表示。SSLの脆弱性も詳細にチェック。 グローバルな基準で自社サイトのセキュリティレベルを把握したい担当者。 ImmuniWeb

【本格対策】有料のセキュリティ診断サービスを検討する

無料ツールでの診断は、セキュリティ対策の第一歩として非常に有効です。
しかし、より深く、網羅的な診断を行うためには、専門家による有料サービスの利用が不可欠となります。

無料診断では発見できないビジネスロジックの欠陥や、未知の脆弱性を見つけ出すには、プロの知見と経験が必要だからです。
ここでは、有料サービスを検討すべきケースや費用相場、そして失敗しないための選び方について詳しく解説します。

有料サービスを選ぶべきケースとは?無料診断との違い

無料診断は手軽ですが、限界もあります。
以下のようなケースでは、有料の診断サービスを積極的に検討することをおすすめします。

  • 顧客の個人情報やクレジットカード情報を扱うECサイトや会員サイト
  • 金銭の取引が発生する金融関連サービス
  • 企業の基幹システムと連携しているWebサイト
  • 法令や業界基準(PCI DSSなど)で高いセキュリティレベルが求められる場合

無料診断と有料サービスの最も大きな違いは、「診断の深さ」と「専門家による分析・提案の有無」です。

比較項目 無料診断(主に自動ツール) 有料診断サービス
診断の深さ 既知の脆弱性パターンに基づいた表層的なチェックが中心。 サイトの仕様やビジネスロジックを理解した上で、手動検査を交えて深掘りする
ビジネスロジック ログイン機能や決済フローなど、複雑な手順を伴う機能の脆弱性は発見困難 専門家が実際に操作し、設計上の欠陥や意図しない動作を発見可能
誤検知の扱い 脆弱性ではない箇所を誤って警告することがあり、利用者が判断する必要がある 専門家が結果を精査し、本当にリスクのある脆弱性だけを報告するため、信頼性が高い
報告と対策 専門的なレポートが出力されるのみで、解釈や対策は利用者に委ねられる 分かりやすい報告書に加え、具体的な修正方法や対策の優先順位まで提案してくれる。

費用はいくら?診断サービスの料金相場

有料診断の費用は、診断対象の規模(ページ数や機能の複雑さ)や診断手法(自動か手動か)によって大きく変動します。
一概には言えませんが、一般的な価格帯の目安は以下の通りです。

診断レベル 費用相場の目安 主な診断内容
簡易診断 10万円~50万円 小規模なサイト(~10画面程度)を対象に、主要な脆弱性をツールで自動診断。
通常診断 50万円~200万円 中規模サイトを対象に、ツール診断と専門家による手動診断を組み合わせて実施。
詳細診断 200万円~ 大規模サイトや複雑な機能を持つサイトを対象に、期間をかけて詳細な手動診断を実施。

正確な料金を知るためには、複数の診断会社に見積もりを依頼し、診断内容と費用を比較検討することが重要です。

失敗しない!有料診断サービスの5つの選定ポイント

高額な費用をかけるからには、自社に最適なサービスを選びたいものです。
有料の診断サービスを選ぶ際には、以下の5つのポイントを必ずチェックしましょう。

選定ポイント チェックする内容
1. 診断範囲と精度
  • 自社が診断してほしい範囲(Webアプリ、プラットフォーム)をカバーしているか。
  • 手動診断の割合はどのくらいか。ビジネスロジックの診断は含まれるか。
2. 診断員の技術力と実績
  • 診断員はどのような資格や経験を持っているか(例:情報処理安全確保支援士)。
  • 自社と同じ業界や、類似のシステムでの診断実績は豊富か。
3. 報告書の分かりやすさ
  • 専門知識がない担当者でも理解できる内容か。
  • 発見された脆弱性のリスクや影響が具体的に説明されているか。
  • サンプル報告書を確認させてもらえるか。
4. 診断後のサポート体制
  • 発見された脆弱性の修正方法について、質問や相談に対応してくれるか。
  • 修正が正しく行われたかを確認する「再診断」は可能か(有償/無償)。
5. コストパフォーマンス
  • 見積もり金額と診断内容(範囲、手法、工数)は見合っているか。
  • オプション料金(再診断など)を含めた総額で比較検討する。

これらのポイントを踏まえ、複数の業者から話を聞き、自社の課題解決に最も貢献してくれるパートナーを見つけることが成功の鍵です。

【独自情報】見落としがちなクライアントサイドの脅威と対策

これまでのセキュリティ対策は、自社のサーバーを守る「サーバーサイド」が中心でした。
しかし、現代のWebサイトは、広告や分析ツールなど、様々な外部のJavaScriptプログラムをユーザーのブラウザ(クライアントサイド)で実行することで成り立っています。

実は、この「クライアントサイド」に新たなセキュリティリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。
従来の対策では防ぎきれない、見落としがちな脅威と、その解決策について解説します

WAFやCSPだけでは防げない「クライアントサイド」のリスクとは?

WAF(Web Application Firewall)やCSP(Content Security Policy)は、サーバーへの不正なリクエストを防いだり、許可していないリソースの読み込みを制限したりする、非常に強力なサーバーサイドのセキュリティ対策です。

しかし、これらの対策には限界があります。
それは、一度許可されてユーザーのブラウザで実行されたJavaScriptが、内部でどのような挙動をするかまでは監視できない点です。

例えば、正規の広告配信サービスから提供されたスクリプトが、その広告配信網のどこかで改ざんされ、ユーザーの入力情報を盗み出す悪意のあるコードにすり替わってしまうケースがあります。
これは「サプライチェーン攻撃」の一種であり、自社サーバーが安全でも、信頼して導入した外部サービス経由で攻撃されるため、WAFやCSPでは防ぐことが困難です。

なぜ今クライアントサイドセキュリティが重要なのか?過去の侵害事例から学ぶ

クライアントサイドのリスクは、決して机上の空論ではありません。
過去には、大手ECサイトの決済ページに埋め込まれた外部スクリプトが改ざんされ、ユーザーが入力したクレジットカード情報が10万件以上流出するという事件が実際に発生しました

攻撃者は、クロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱性を利用して不正なスクリプトを注入し、正規の決済フローに見せかけて情報を外部に送信していたのです。
このような攻撃は、ユーザーからは全く気付かれず、企業側も検知が遅れがちになるため、被害が拡大しやすいという恐ろしい特徴があります。

【関連記事】JavaScript改ざん対策の決定版|手口から防御・検知まで網羅解説

【独自ソリューション】Spider AF SiteScanが実現する次世代のセキュリティ

こうした従来の対策では防ぎきれないクライアントサイドの脅威に対し、私たちは独自のソリューション「Spider AF SiteScan」を提供しています。
SiteScanは、ユーザーのブラウザ上で実行されるすべてのJavaScriptの挙動をリアルタイムで監視・分析します。

そして、個人情報の入力フォームへの不審なアクセスや、外部へのデータ送信といった悪意のある動きを検知し、即座にブロックします。
これにより、たとえ信頼していた外部スクリプトが改ざんされたとしても、情報漏洩を未然に防ぐことが可能です。

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診断で脆弱性が見つかったら?次にやるべき3つのステップ

セキュリティ診断は、脆弱性を発見して終わりではありません。
むしろ、そこからがスタートです。
診断結果をもとに、適切な対策を計画的かつ迅速に実施することが、サイトの安全性を確保する上で最も重要になります。

もし診断で脆弱性が発見されても、慌てる必要はありません。
ここでは、診断後に取るべき具体的なアクションを3つのステップに分けて解説します。

ステップ1:診断レポートを読み解きリスクを評価する

診断会社から提出されるレポートには、専門的な内容が多く含まれます。
まずは内容を正しく理解し、発見された脆弱性が自社にとってどれほど危険なのかを評価することが第一歩です。

注目すべきは「深刻度」や「CVSSスコア」といった項目です。
CVSS(共通脆弱性評価システム)は、脆弱性の深刻度を0.0から10.0の数値で示した世界共通の指標で、スコアが高いほど危険性が高いことを意味します。

脆弱性の例 深刻度 CVSSスコア 影響の概要 対策の方向性 参考情報
SQLインジェクション 緊急 (Critical) 9.8 データベース内の全情報が漏洩・改ざんされる可能性がある。 プリペアドステートメントの使用、入力値のエスケープ処理。 OWASP Top 10
クロスサイトスクリプティング 高 (High) 8.8 ユーザーのセッションが乗っ取られ、なりすまし被害に遭う。 出力時のHTMLエンコード、コンテンツセキュリティポリシー(CSP)の設定。 OWASP Top 10
ディレクトリリスティング 中 (Medium) 5.3 非公開ファイルが閲覧され、システム内部の情報が漏洩する。 Webサーバーの設定でディレクトリの一覧表示を無効化する。 CWE/SANS Top 25
Spring4Shell 緊急 (Critical) 9.8 サーバーが乗っ取られ、リモートから任意のコードを実行される。 利用しているフレームワーク(Spring)を最新版に更新する。 CVE-2022-22965

このように、脆弱性の内容と深刻度を把握し、万が一攻撃された場合にビジネスにどのような影響が出るのか(例:顧客情報漏洩、サービス停止)を具体的に想定することが重要です。

ステップ2:対策の優先順位付けと具体的な修正方法

発見された脆弱性すべてに一度に対応するのは、コストやリソースの面で現実的ではない場合がほとんどです。
そのため、どの脆弱性から対策すべきか、優先順位を付ける必要があります

優先順位は、一般的に以下の2つの軸で判断します。

  1. リスクの高さ: 「深刻度(CVSSスコアなど)」と「攻撃された場合の影響の大きさ」を掛け合わせて評価します。個人情報漏洩に直結するような脆弱性は、最優先で対応すべきです。
  2. 対策の容易さ: 修正にかかる工数やコストを考慮します。設定変更のみで対応できる簡単なものから着手するのも一つの手です。

例えば、深刻度が「緊急」のSQLインジェクションは、対策の難易度に関わらず最優先で対応すべきです。
一方、深刻度が「低」で、対策に大規模な改修が必要な場合は、他の高リスクな脆弱性の対応を終えてから着手するなど、計画的な対応が求められます。

具体的な修正方法は、診断レポートに記載されている提案を参考に、開発担当者や開発会社と相談しながら進めていきましょう。

まとめ:Webサイトの安全は、継続的な診断と対策から

本記事では、Webサイトのセキュリティ診断の基本から、無料で使えるツール、有料サービスの選び方、そして脆弱性発見後の対応まで、幅広く解説しました。

  • セキュリティ診断は、問題が起こる前にリスクを発見するための「健康診断」です。
  • まずは無料ツールで手軽に現状を把握し、セキュリティ意識の第一歩とすることが重要です。
  • 個人情報などを扱う重要なサイトでは、専門家による有料診断で、より深く網羅的なチェックが不可欠です。
  • 診断はゴールではなくスタートであり、発見された脆弱性への適切な対策と、継続的な診断がサイトの安全を守ります。

サイバー攻撃の脅威は、決して他人事ではありません。
しかし、必要以上に恐れることはありません。
正しい知識を持ち、定期的な診断と対策を地道に続けることで、リスクは大幅に低減できます

この記事が、皆さまのWebサイトをより安全なものにするための一助となれば幸いです。
まずは無料ツールを試すことから、自社のセキュリティ対策を始めてみてはいかがでしょうか。

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