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1億DL超のAndroidアプリ「CamScanner」からアドフラウドを行うマルウェア検出。その犯人は?
CamScanner開発元が声明を発表
本件に対してCamScannerはTwitterの公式アカウントで、 "AdHub"というサードパーティ製の広告SDKが不正な広告クリックの生成を行っていたとしています。現在はSDKを削除して最新版をGoogle Playで公開しており、 Adhubに対して直ちに法的措置を行うと声明を出しています。
なお、現在のところ本件についてAdHubからは特に声明で出ていないようです。
ネット広告でなぜ不正が多発するのか
CamScannerを手掛けるCC Intelligence社は、アプリ内に掲載されている広告や有料プランなどにより収益化し、アプリの開発や運営を行っていました。
世の中には無料で使える便利なアプリ、Webサービスがたくさんありますが、もちろんそういったアプリやWebサービスを開発するにはコストがかかります。
それも、より高機能で使いやすく洗練されたデザインにするには、多くの人的リソース、時間、インフラが必要です。
そういったコストをかけながらも無料で提供できるのは、多くの場合”広告収益”があるためです。
広告主から支払われた広告費は代理店や広告ネットワークを通じて、広告を掲載しているパブリッシャー(アプリやWebサイトの運営者)に分配されます。
この際により多くのユーザーを広告主に送客することで、より多くの収益を得ることができます。
そのため、悪意のあるパブリッシャーが人でないボットによってアクセスを不正に偽造し、詐欺的な手法で広告費を騙し取ることがあります。
しかし、時には代理店が広告主に広告費を不正請求したり、広告ネットワーク自体がアドフラウドを行っていたケースもあります。
広告に関わる人すべてが不正に加担しない意識を
電通報によれば2018年の日本のインターネット広告費は 1兆7,589億円で5年連続2桁成長を遂げています。
しかし、昨今のネット広告における不正の多発によって、ネット広告全体に疑いの目が向けられてしまっています。
邪魔、煩わしいなど、どうしても敬遠されがちな広告ですが、紀元前バビロニアの時代から続いている通り、企業活動においては必要不可欠なものだと思います。
そんな中、ネット広告に関わる私達は今何をすべきなのでしょうか。
広告業界において「広告主→代理店→アドネットワーク→パブリッシャー」というように広告主が支払ったお金が複数の企業・人を経てパブリッシャー(メディア)へ支払われます。
今回のケースでは、パブリッシャー(アプリ開発会社)が導入した第三者のSDKがアドフラウドを行っていたとされていますが、アドフラウド自体はどのポジションでも起き得ます。
だからこそ、広告に関わる人全てが一丸となって対策する必要があるのです。
Phybbitではアドフラウド検知ツール「Spider AF」を通じて、ネット広告の健全化に貢献してまいります。
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