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「博報堂の流儀」から紐解くインハウスマーケティングの手順

「博報堂の流儀」から紐解くインハウスマーケティングの手順
「博報堂の流儀」から紐解くインハウスマーケティングの手順
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up 2021-09-02  Last Update 2022-04-05

2021年7月、マーケティングDX支援サービス「GRIP & GROWTH」を発表した博報堂。『パワーブランドを構築する』をミッションに掲げ広告運用のプロフェッショナルとして注目を浴びています。無駄な広告費を削減し費用対効果の最大化を目指すSpider AFは日々、広告運用の効率的な方法を検証しています。今回は、博報堂のマーケティング手法をヒントに効果的なインハウスマーケティングの手法をご紹介します。

 

 

博報堂って、どんな会社?

博報堂とは、電通と並ぶ国内有数の広告代理店。生活者から最も長く愛されるNo.1の価値を持ったブランド「パワーブランド」の構築をミッションに掲げ、博報堂プロダクツ、博報堂DYホールディングス、博報堂DYデジタルなど、いくつものデジタルマーケティング関連企業を保有しています。

クリエイティブ力とマーケティング力、実現力を兼ね備える広告運用のプロフェッショナル集団で世界各国のデジタル広告に関するアワードを受賞。ビッグデータを活用したマーケティング手法「ダイレクトマーケティング」を得意としており、主な仕事内容は官公庁や企業の広告活動の支援です。

 

アドフラウド対策への取り組みも◯

2017年以降は世界中で懸念されるアドフラウド対策やブランドセーフティに取り組んでおり、高い信頼も得ている日本を誇る広告代理店です。2021年3月に設立されたばかりのJICDAQ登録は、関連会社をあわせて3社も申請中です。

JICDAQ登録事業者として認証申請中の関連企業

  • 株式会社 博報堂
  • 株式会社 Hakuhodo DY Matrix
  • 株式会社 博報堂DYメディアパートナーズ

JICDAQについてはこちらで解説しています。

【関連記事】JICDAQとは?目的や設立背景を解説!ブランドセーフティ / アドフラウド除外

 

会社概要

会社名株式会社博報堂代表取締役社長水島 正幸設立1924年2月売上高9,069億9900万円従業員数3,812名関連会社数415社

※上記は2021年8月26日時点の情報です。

 

 

博報堂の流儀 - インハウスマーケティング -

今回は2020年11月に発売された『博報堂の流儀』を参考にインハウスマーケティングの取り組み方を研究しました。新型コロナウイルスの影響で世界はデジタルファーストに移行しています。ぜひインハウスマーケティングの参考にしてみてください。

 

自社で顧客情報を収集する

デジタルマーケティング界隈を賑わせている「サードパーティCookie規制」。これからは他社を経由したデータではなく、自社独自で顧客情報を収集していくことが最重要になるでしょう。

マーケティング初心者がはじめにやるべきことは、顧客情報データの分析→ペルソナ作成です。そのため、顧客情報データの種類と蓄積方法について理解を深めておきましょう。

 

◆データの種類

  • 0 Party Data:顧客から同意を得て取得するデータ
  • 1st Party Data:自社で蓄積したデータ(※1)
  • 2nd Party Data:他社から直接入手するデータ
  • 3rd Party Data:第三者が提供・公開しているデータ

(※1)1st Party Dataは、自社サイトの閲覧履歴やログ、商品の購買履歴からデータ取得するものです。これらのデータの中には、顧客から同意を得てないデータも存在します。顧客から同意を得ている1st Party Dataは、0 Party Dataと整理できます。

 

◆データの蓄積方法

種類詳細CDP

(Customer Data Platform)

自社が保有する顧客情報を中心とした人単位で蓄積・管理する基盤

DMP

(Data Management Platform)

Webサイトの閲覧履歴などデータを蓄積・管理する基盤

自社ホームページへアクセスしてきたパソコンやスマートフォンのWebブラウザーを顧客と推定して管理する

 

顧客理解を深めてターゲットを設定する

次にターゲットを決めていきます。ターゲットを具体化していくために(1)ペルソナ像(2)カスタマージャーニーを作成していきましょう。

 

ペルソナを設定

 

 

ペルソナとは、ターゲット像を具体的に設定することをいいます。大枠のターゲットを詳細化するものと覚えておくと良いでしょう。BtoB、BtoC、また商材によってもペルソナ像の作成方法は異なります。

ターゲット詳細BtoB売上高、規模、業界、担当者の役職、企業が抱えている課題、実現したいこと、情報収集方法BtoC年齢、性別、住んでいる地域、家族構成、職業、年収、趣味、価値観、休日の過ごし方、悩んでいること

ペルソナを具体化すれば、戦略の方向性や具体的なマーケティング施策が立てやすくなります。また、従業員が同じ方向性を向き、ブレずにビジネスを推進できます。

 

カスタマージャーニーを作成

 

 

カスタマージャーニーとは、顧客の購買プロセスを時系列に見える化したものです。タッチポイント(接点方法)を洗い出しやすくなります。適切な方法、適切なタイミング、適切な情報を顧客に伝えられるようになります。

 

マーケティング施策を考える

 

 

ペルソナとカスタマージャーニーを作成すると、フェーズ毎の階段図が設計できます。

獲得したリード(見込顧客)が、どのようなフェーズにいるかを把握して適切なアプローチをしていきましょう。マーケティングオートメーションでフェーズ毎の顧客にメールを配信するなど自動化すれば業務効率化が図れます。

博報堂の「GRIP&GROWTH」は、デジタルマーケティングにインサイドセールスを組み合わせた営業支援が提供されています。

(※)インサイドセールス:各顧客の詳細の状況を把握して、1:1のコミュニケーションを図るセールス部隊のこと。別名でSDR(Sales Development Representative)と呼ばれるもの。

 

マーケティング運用・改善をする

デジタルマーケティングの魅力は、運用実績のデータを蓄積できることです。どのような施策で効果があったのかを検証し、PDCAを回して改善していきましょう。

  • Plan…現状の課題を把握して目標を設定する、目標を達成するための施策を考える
  • Do…Planで立てたマーケティング施策を実施する
  • Check…マーケティング施策後の目標達成度を測定して、成功事例と失敗事例に分類する
  • Action…効果的なマーケティング施策とは何かを考えて改善する

 

 

博報堂の流儀から紐解くマーケティングのポイント

博報堂の流儀の内容を踏まえて今後ポイントになる項目をまとめました。

 

1.顧客理解を深める

具体的なマーケティング施策を考える前に“ 顧客理解”から始めてみてください。顧客理解を深めてペルソナ像やかスタマージャーニーを作成することで、アプローチ方法が絞り込まれてきます。顧客1人1人に見合った提案により、顧客体験の満足度が上がり、リード獲得率や受注率が上げられます。

顧客理解を深めずに、広告配信しても理想の効果は得られないため注意してください。必ず、顧客理解から始めましょう。

 

2.個人情報保護に注意する

自社のサービス・商品の購入層を分析してペルソナを作成するために、顧客情報を蓄積していく必要があります。個人情報保護法ガイドラインには「個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるものでなければいけない」と定められています。

従来は、個人情報の取扱件数が5,000件以上の事業者が法規制の対象でしたが、2017年5月に『改正個人情報保護法』が施行されました。この改正により、個人情報を1件でも取り扱う事業者は改正法の対象になっています。

1st Part Dataや0st Part Dataを取得する場合は、顧客側に情報の利用用途を説明して同意を得たうえで個人情報を取得するようにしましょう。

 

3.CDPやDMPに各ツールを連携する

データ蓄積方法には“ CDP”と“ DMP”の2通りの方法があります。これらは、営業支援ツールや広告配信ツール、マーケティングオートメーションツールと連携が可能です。コミュニケーションツールと情報基盤を連携させておけば、顧客情報が収集しやすくなります。

コロナ禍でインサイドセールスのコミュニケーションツールが注目を浴びています。音声を自動録音して、商談内容をテキスト化し自動保存できる画期的なツールです。このようなツールも積極的に活用していき、顧客情報を収集してみてください。

 

4.デジタル広告に関するリテラシーを高める

デジタルマーケティングの領域は、日々アップデートされます。GoogleやYahoo!JAPANの広告配信、SNS、LINE、YouTubeなどの運用スキルをはじめ、広告不正に関する知識も必須となります。

クリック単価(CPC)、顧客獲得単価(CPA)をおさえ、広告費用対効果(ROAS)を最大化することが広告運用の勝ちパターンです。そのため、常に最新の情報を追い、デジタル広告に関するリテラシーを高めていきましょう。

 

5.アドフラウドやブランドセーフティの対策をする

デジタル広告市場の拡大により、広告費用を不正に詐取するアドフラウド(広告詐欺)は後を立ちません。もはや広告運用はアドフラウド対策込みで考える時代です。

 

 

まとめ

今回は、博報堂のマーケティングDXをインハウス化の方法を紐解いてみました。最後に博報堂流インハウスマーケティングの手順をおさらいしましょう。

【マーケティングの手順】

  • 顧客情報を収集する
  • 顧客理解を深めてターゲットを設定する
  • マーケティング施策を考えていく
  • マーケティング運用・改善をする

 

【マーケティングのポイント】

  • 顧客理解を深め顧客体験パーソナライズ化を図る
  • 個人情報保護に注意する
  • CDPやDMPに各ツールを連携する
  • デジタル広告に関するリテラシーを高める
  • アドフラウドやブランドセーフティの対策をする

 

また各企業のマーケット担当者がマーケティング施策を実施する場合は、悪質業者による不正行為をブロックする必要があります。ぜひ、アドフラウド対策に興味がある方は“ Spider AF ”の導入を検討してみてください。

 

 

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