はじめに 02
定義 03
2024年Spider AFが解析したデータの全貌 04
2024年のアドフラウド被害総額と割合 05
業界別アドフラウド被害ランキング 07
アドフラウドとコンバージョン率(CVR)の関係 09
流入経路別有効vs 無効クリックの割合と内訳調査 10
巧妙化するフェイクリードへの対策 12
さらに進化するアドフラウド手法 13
フェイクリードプロテクションの成功事例 14
MFAサイトの脅威と被害額 15
MFAサイトの最新事例 16
おわりに 17
Spider AFのご案内 18
Building a Safer & Happier Future with Automation
2025年のアドフラウド調査 レポートをダウンロードいただき、誠にありがとうございます。
2024年、デジタル広告市場の拡大とともに、アドフラウドの手口もさらに巧妙化しました。生成AIを活用したフェイクコンテンツや、闇バイトを利用した不正広告の増加など、従来の対策では防ぎにくい新たな脅威が登場しています。 こうした流れに対し、 2025年には総務省が「デジタル広告の適正かつ効果的な 配信に向けた広告主等向けガイダンス(案)」を公表。広告主に対する広告取引 の透明性向上とアドフラウド対策の強化が求められています。 世界でも、 2024年2月、EUではデジタルサービス法( DSA)が全面施行され、オンラインプラットフォームとアドテック仲介業者に広告配信の透明性確保が法的義務となりました。同年、米国では ANAが調査を実施し、広告費のうち実際に消費者に届いたのは 43.9%と報告。 広告配信経路やメディア品質の可視化、 MFA出稿削減、ログレベルデータ活用 が進み、業界は持続的な透明化と健全化へと舵を切り始めています。
Spider Labsは、こうした動きに対応すべく、 2025年2月より広告主の実運用データをもとにしたフェイクリード対策機能「フェイクリードプロテクション」を提供。 CRM 連携によるリアルタイム検知や、不正 CVの自動ブロックなどを通じて、商談単価や ROIの改善に寄与しています。 さらに、 MFAサイトによる出稿損失にも着目し、独自の検知アルゴリズムでプレースメントの除外推奨を行うなど、広告費の最適化に向けた機能強化を進めています。 本レポートでは、 2024年の「 Spider AF」解析データを基に、 7カ国のアドフラウド動向を分析。 本レポートが、広告主やメディア関係者にとって、アドフラウド対策の強化に役立つ指針となれば幸いです。
本レポートでは、 2024年の「 Spider AF」解析データを基に、日本市場のアドフラウド動向を分析。 ウェブ・モバイル・ CTV広告など主要チャネルごとの脅威と対策について解説します。 本レポートが、広告主やメディア関係者にとって、アドフラウド対策も強化に役立つ指針となれば幸いです。
ー Market Trends and Issues ー SpiderLabs Initiative ー About this reportアドフラウド(広告不正)とは、不正な手法によって広告のインプレッションやクリック、コンバージョンを水増しして広告報酬を搾取する不正行為のことです。 その手口は年々高度化、巧妙化しており日本でも認知度は上がり、社会問題になっています。
Spider AFは、インプレッション、クリック、コンバージョン、イベントなどのデータログを分析することで、不正を検知します。広告不正の兆候を分析し、総合的な広告不正スコアを計算します。本レポートでは、一定のしきい値を超えたスコアをアドフラウドとみなしています。
Spider AFは、国内外の多様な広告環境を横断的に解析。 膨大なクリックデータをもとに、アドフラウドの兆候を可視化しています。
調査期間:2024年1月1日 2024年12月31日Spider AFが2024年にトライアル測定した、各媒体別のウェブ広告でのアドフラウドの割合を算出しました。 アドフラウド率が最も高いネットワークは Spider AFで計測しているトラフィックの 46.9%以上がアドフラウドと、全体クリック数の約半分を不正クリックが占める結果となりました。また、各媒体のアドフラウド率の平均値は 5.12%でした。2023年は約4.9%であることから、 数値としては微増しており、未だインターネット上での根本的なアドフラウド撲滅は難しい状況であるというのが現状です。
2024年通期で検知した、「 Spider AF」導入前の企業のアドフラウド率は 平均5.12%でした。 また広告予算の最大51.8%がアドフラウドと判定される企業も存在しました。
Spider AFの2024年の解析データをもとに、主要媒体におけるアドフラウド率の平均値を用いて試算した結果、年間の被害額は1,510億1,610万円 にのぼることが判明しました。 これは前年( 2023年)と比べて約 194億円の増加となります。
Spider AFは国内最大級の広告解析データを保有しております。 2024年度、最もアドフラウド率が高いのは金融業界で 14.3%と高い数値を記録し、 通信業界なども平均値の2.3倍以上の11.1%という結果になりました。また業界ごとの数値を分析することで Spider AFでは、 全体平均の5.1%よりも低い数値であったとしても、業界基準では高い数値ということも解析可能となりました。
01 金融業界 14.3%
02 通信業界 11.1%
03 不動産業界 7.6%
04 教育業界 4.3%
調査期間:2024年9月1日 2024年12月31日
調査対象:324社
本調査では、インバリッドクリック(不正・無効クリック) とバリッドクリック(有効クリック) における、CVR(コンバージョン率)の違いを分析しました。広告効果 を正しく評価するため、それぞれのクリックの質による CVRの差異を明らかにしています。 成果につながる質の高いリードを獲得するためにも、アドフラウド対策は有効な手段の一つであるといえます。
実際のユーザーが意図的に広告をクリックし、商品やサービスに 関心を持って行動を起こす正当なクリックのことを指します。
2.54%ボットや誤クリック、悪意のあるクリックなど、広告主にとって不正または 無効と判断されるクリックを指します。
1.29%本レポートでは、アドフラウドの影響を受けたフェイクリード (不正CV)の発生状況を分析しました。 以下のグラフは、流入経路ごとの不正 CV率およびその内訳を示しており、特定の要因が不正コンバージョンを引き起こしていることが確認されました。広告経由(Ad Conversion)とオーガニック経由( Organic Conversion)を比較すると、 オーガニック経由の不正CV率が顕著に高いことが分かります。 オーガニック経由のフェイクリード率は 4.06%に対し、広告経由の場合は0.91%であり、オーガニック経由の方が約4.5倍の割合で不正CVが発生していることが確認されました。 デジタル広告だけでなく、 オーガニックからの流入に対しても、フェイクリードへの対策が急務 となっています。
広告経由の CV オーガニックの CV Invalid percentage null dc geo ex_location bot others 99.1 % Invalid breakd ow 32.7 % 31 % 12.1 % 9.6 % Invalid rate 0.91 % Invalid breakdown 34.9% 33.7% 11% 9.3% 5.9% Invalid percentage null bot spoofed_ua dc geo others Invalid rate 4.06% Invalid rate 0.91% 9.6% 12.1% 31% 32.7%フェイクリードは営業チームの時間と工数を浪費させ、実際の顧客へのアプローチを妨げる ほか、広告費の損失や分析データの精度低下を引き起こす ため、企業にとって大きな課題となっています。実際に約 2ヶ月で400件に及ぶフェイクリードが発生した企業では、これらのフェイクリードにより 536万円もの 広告費の損失が確認されました。 こうした昨今の状況を鑑み、 Spider Labsでは企業の効率的な営業・マーケティング活動の支援と、より透明性のあるデジタル広告環境の構築推進を目 的に、フェイクリード対策サービス「フェイクリードプロテクション」を開発 いたしました。
人間と見分けがつかない精巧なボットが、 リード獲得型広告に売り上げに繋がらない不正なコンバージョンを発生させ、広告費を浪費させるケース が増加。 来店型ビジネス(実店舗)をターゲットにした不正リード詐欺の手口として、闇バイトを使い、実際に店舗へ訪問させるケースもあります。
PMaxの最適化を悪用したアドフラウドの脅威が拡大しており、ボットや低品質 なトラフィックを活用した不正クリックが増加しています。 これにより、広告費の浪費や誤ったデータに基づく意思決定が発生し、広告の効果測定や最適化が困難になります。 特に、自動最適化機能を悪用することで、不正な広告配信が継続されるリスク が高まっています。
検索パートナー広告で不正リードが急増し、広告媒体の機械学習に悪影響が発生。ターゲット外のCVが増え、適正なユーザー獲得が困難に。 Spider AFのフェイクリードプロテクション(FLP)を導入後、 ROIが152%改善、CPCは85%低下。 無駄な広告費を削減し、商談単価も下がるなど、広告効果が向上。インサイドセールスでも実CV数に影響はなく、不正リードの排除による成果が明確に。
・CRM連携(不正リードを検出し学習データを最適化) ・広告配信先の調整
1 3 11月 ROI改善 2 1 0 1月 導入後 1.29% 2.52 100% 導入前 平均CPC推移 - 検索パートナー 導入後 75% 50% 25% 0% 平均CPC 100% 15% 85%減 1 152%改善 2.52調査期間:2024年1月1日 2024年12月31日
※調査対象 | 調査期間中「 Spider AF」が計測した P-MAXおよびディスプレイ広告
MFAサイトとは、広告費を稼ぐ目的のために立ち上げたサイト です。 既存のアドフラウドサイトと大きな違いはありませんが、他社のコンテンツを無断転載することは もちろん、生成AIでコンテンツの量産することが確認され注目されています。 トラフィックを稼ぐ方法も多種多様です。 X(旧Twitter)を悪用したサイト誘導、有料広告を配信し MFAサイトに誘導する手法。 このような状況の中、「 Spider AF」では、2024年より新たにMFAサイトを検知カテゴリーの一つ として追加いたしました。
広告の成果地点を「査定問い合わせの完了」に設定していましたが、 そのうちの50%〜60%が、海外経由の無意味なCV(フェイクリード )で占められていました。
アドフラウド対策として「 Spider AF」を導入後、MFAサイトを含む特定のプレースメント除外 を実施。 フェイクリードの割合が最少で 10%程度に減少する事例が見られました。
海外経由のフェイクリードが 全体の 65%から 最少10%程度まで減少
2024年にSpider AFが解析した運用型広告 41億4,869万クリックのうち 5.1% (2億1,158万クリック)がアドフラウドでした。クリック単価 50円換算で Spider AFによる推計ブロック金額は 約105.8億円。また、国内インターネット広告 媒体費2兆9,611億円に同率を当てはめると年間損失は推計 1,510億円に上ります。 また2025年には推計 1,656億円、2026 年のインターネット広告媒体費が同様の 成長率で伸長すると仮定すると、推計アドフラウド被害額は 1,816億円に達する可能性もあります。
生成AIや機械学習の進化により、 2025年のアドフラウドはさらに巧妙化すると予測されます。また、総務省の「デジタル広告の適正かつ効果的な配信に向けた広告主等向けガイダンス(案)」示される中、市場は 継続的なアドフラウド対策と透明性の高い広告運用 を核とする対策へシフトしています。 被害抑止と ROI最大化の鍵は、広告主・プラットフォーム・規制当局が連携し、最新の不正検知ソリューションを導入することです。 Spider AFは進化するアドフラウドに対応した技術を提供し、健全な広告エコシステムの実現に貢献してまいります。
「Building a safer and happier future with automation」のもと、 日本を始め世界中の不正を撲滅するため取り組んでいきます。
アドフラウド推計年間被害額 ※ ※算出方法:株式会社電通コーポレートワン「 2024 年 日本の広告 費」をもとに、「Spider AF」2024年の各媒体平均アドフ ラウド率を用いる。2026年については、インターネット広告媒体費の成長率を2024年・2025年間の9.7%と同値と仮定し て試算。アドフラウド対策クロスプラットフォーム であるSpider AFは、アドフラウドを検知し スコアリング。ダッシュボードで情報も 逐次確認可能です。
アドフラウドの判定理由が分かるため、 正しい対応をすることが可能です。
広告代理店様やメディア様にも権限付与でき、第 三者のしきい値で確認できるため、 より正確に広告効果を検証できます。
アドフラウド対策ツール Spider AF にて 貴社の広告配信に アドフラウド やブランド毀損 が 発生していないかを 無料で診断・レポートいたします。
無料診断はこちら2024年1月から12月までに収集したアドフラウドに関するデータと役立つ情報をご提供します。
膨大なトラフィックを横断的に分析し、国内で無視できない損失が発生している実態と、媒体間で大きく異なる不正率の差を解説します。
有効クリックと無効クリックそれぞれの傾向を検証し、質の低いトラフィックが成果評価をどれだけ歪めるかを示します。
最新の事例やSpider AFのビッグデータをもとに、フェイクリードやMFAサイトなど、巧妙化するアドフラウドへの対策をわかりやすく解説します。
「Spider AF」がアドフラウド、ビューアビリティとブランドセーフティ、アドベリフィケーション等の問題に対し、どのように対策ができるかをご案内します。
Spider AFは、インプレッション、クリック、コンバージョン、イベントなどのデータログを分析することで、広告不正を検知します。ビッグデータから広告不正の兆候を解析し、トラフィックごとにスコアリングします。本レポートでは、一定のしきい値を超えたスコアを記録したものをアドフラウドとみなしています。