テーラーメイドゴルフが考える、日本市場に最適化したアドベリフィケーションの実践方法

テーラーメイドゴルフが考える、日本市場に最適化したアドベリフィケーションの実践方法
目的
課題
効果

企業や商品のブランドを守る上で、アドベリフィケーションの実践は欠かせません。今回のウェビナーでは、ゴルフ用品メーカーであるテーラーメイドゴルフにおいて、ECOM担当を務めるジェイソン氏に登壇いただき、日本市場に最適化されたアドベリフィケーションの実践について、話をうかがいました。

コロナ禍で進んだデジタルシフト

新型コロナウイルスの影響により、国内外を問わず小売業は大きな打撃を受けました。テーラーメイドゴルフにおいても大きな営業の制限を課されることになりましたが、実はそう悪いことだけではなかったのも事実です。

店舗営業は中止、オンラインは伸長

新型コロナによる緊急事態宣言が発表されてから、テーラーメイドゴルフが展開している23の店舗は一時閉店を余儀なくされました。ゴルフ用品の購入者は実店舗で買いたいという需要もあり、閉店や外出自粛は、ゴルフ業界の売り上げに大きな打撃を与えたのです。

しかしテーラーメイドゴルフにおいてはかねてよりオンラインショップへ注力を注いでいたこともあり、コロナショック以降、店舗集客がゼロになった代わりに、ECのトラフィックが伸長したと、ジェイソン氏は語ってくれました。

TaylorMade Golf 公式サイト

店舗が閉まっているため、このトラフィックの上昇は一時的なものになると思われましたが、興味深いのは自粛解除後も高まったトラフィックは維持され、オンラインでの売り上げの増加につながっているという点です。ここ数年で大きな成長を遂げているテーラーメイドゴルフですが、コロナをきっかけにオンラインでの影響力を増大していくきっかけを掴むことができました。

ゴルファーはECに強い

テーラーメイドゴルフのEC成長についてもう一つ興味深いのは、ゴルフという中高年向けのスポーツ用品でありながら、オンラインの売り上げが伸びているという点です。これまで、ゴルフはデジタルに疎い世代の遊びで、購入者層はパソコンに弱く、オンライン購入は伸びづらいのではと思われてきました。

しかし蓋を開けてみると、ゴルフは消耗品も多いスポーツであるため買い替えの頻度も高く、その度に店舗へ足を運ぶ方が手間であるという事情もあります。スマホが全世代に普及した現代では、むしろECの使い方を覚えて、好きなようにゴルフ用品を注文した方が都合が良いという考え方にシフトしつつあるとも見られます。

流入の質を高める施策への注目

テーラーメイドゴルフではかねてよりGDNやYDNといったディスプレイ広告を運用してきましたが、ある時期からそのパフォーマンスに限界を感じるようになりました。ディスプレイ広告は確かに有料で流入を促す手法としては有効ですが、購入者となってくれる顧客を見つけ出せなければ、広告効果は低下してしまいます。EC売り上げを伸ばすための施策として、流入の数を増やすのではなく、購入者を増やすという質への注目が進んでいきました。

アドベリフィケーションで予算の適切な運用を目指す

購入につながる広告出稿の精度を高めるため、実施されているのがアドベリフィケーションです。購入につながらならいサイトへの表示や、ブランドイメージを毀損するサイトへの表示を防ぐことで、確実な広告効果の獲得へと動き始めました。アドフラウドによる広告費用の水増しを防ぎ、従来と同じ費用でありながら、高い効果の実現を期待することができるようになったのです。

デジタル広告と広告代理店の価値を最大化するSpider AF

デジタル広告の価値を最大化する上で重要なのが、広告代理店との連携です。テーラーメイドゴルフでも、日本の広告代理店と連携しながらマーケテイングを実施しており、どのように代理店を運用していくかについて、ジェイソン氏から話を聞くことができました。

広告代理店の運用フロー

日本とアメリカでは広告代理店の運用フローは大きく異なるとも言われますが、日本において主流なのが、基本的には業務を代理店に任せてしまいます。広告に関わる業務を全て委託してしまえば、確かにメーカーの負担は最小限に抑えることはできるものの、不安は残るものです。テーラーメイドゴルフにおいても、基本的な運用方針は広告代理店に業務を委託し、日々の連絡と定例会の開催で、コミュニケーションの維持と数字の確認を行っていました。

広告代理店の成果を促す環境づくりを

ジェイソン氏はこのような運用方針に概ね肯定的でありながらも、分業体制を整えることの重要性についても話してくれています。広告代理店は実務に集中し、クライアントであるテーラーメイドゴルフは彼らの成果を促す環境を整備するという役割分担です。

ジェイソン氏が現在の代理店のあり方について問題視しているのは、より良い成果につなげるためのチャレンジに消極的であるという点です。この問題は大手の広告代理店になればなるほど顕在化しており、従来やってきたことの焼き増しに終始する傾向にあると、ジェイソン氏は話しています。業務を委託しているとは言え、テーラーメイドゴルフが求めているのは更なる成果を生み出し続けることです。
そこでジェイソン氏が意識的に実施しているのが、代理店へ常にプレッシャーを与え続けるという取り組みです。適度に成果へのプレッシャーを与え、広告代理店が新しいチャレンジで成果を獲得するよう促すことで、結果的に両者にとってウィンウィンでいられる関係づくりを目指しているというわけです。

ウェビナーの中では、ジェイソン氏はさらにEC担当者としてはKPIよりもROASを重視して数字を追いかけているという話も紹介しています。気になる方は是非本編もご覧ください。

おわりに

ゴルフ用品メーカーとしてはトップクラスのECセールスを記録しており、今後の成長も期待されるテーラーメイドゴルフ。頭打ちに見られた広告運用ですが、SEO対策の強化やアドベリフィケーションの実施で、その見直しに成功し、更なる成長につなげることができています。

どのようにデジタルシフトを進め、広告代理店との協業でデジタル広告の価値を最大化させていくかが、コロナ禍の戦略を考える上で重要になってくるでしょう。

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